バルナックライカのライカIIIcの幕と竿の向きについての画像メモ。
Leica IIIc shutter cloth back and front, top and bottom of metal bar
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みなさんこんにちは。
フィルムカメラ系VTuberの御部スクラです。
今回は、コニカのフィルムに関する小ネタ3本立てです。
“コニカのフィルムについて語る動画 小ネタ3本立て(期限切れカラーネガ経年変化/コニカのポジ/末期コニパン)” の続きを読む
みなさんこんにちは!
フィルムカメラ系VTuberの御部スクラです。
今回は日本の東京光学のフィルムカメラ。
TOPCON RE-2について話します。
TOPCON RE-2は1965年発売[1]『昭和10~40年 広告にみる国産カメラの歴史』1994年、朝日新聞社、p.392。
当時の広告によると、RE. Auto-Topcor 58mm F1.8付きで39,800円だったということです[2]『昭和10~40年 広告にみる国産カメラの歴史』1994年、朝日新聞社、p.259。
このカメラは1963年に登場したTOPCON RE SUPERに対する廉価機種、というか中級機種にあたるカメラで、たしかにTOPCON RE SUPERの価格、RE. Auto-Topcor 58mm F1.8付きで54,000円よりもかなり安くなっていますね[3]『昭和10~40年 広告にみる国産カメラの歴史』1994年、朝日新聞社、p.259。
それでは、まずはTOPCON RE-2で撮った写真を見ていきます。
レンズはRE. Auto-Topcor 58mm F1.8で撮影しました。
使用フィルムはFomapan 200です。
今回、絞り開放から絞り込んでいるものまで、いろいろと撮影することができました。
まずは絞りを開いたものから映像に出していくのですが、ボケについてはなんだか少し暴れ気味なのかな、と感じました。
ただ、このレンズ自体、状態の悪いものをバラしてしまっているので本来の描写なのかはわからないんですけどね。
撮影時期は春で、モノクロですが桜を撮ったりもしましたが、アウトフォーカスの部分に枝がたくさん写り込むような写真は、このレンズにとってちょっと意地悪だったかなーと感じました。
焦点距離が58mmと、この時代の一眼レフ用の標準レンズとしてはちょっと長めですし、まだまだ発展途上なのかもしれないですね。
いっぽう、絞り込むと普通に破綻なく写ってくれています。
とくに危なげはなく、いい感じだなーという感想です。
ここからの写真は、いままでいろいろとお世話になっている、YouTubeで写真表現に関する配信をされているハマチャンさんとさせん子さんと、祐天寺にあるPaperPoolに行ったときの写真です。
許可をいただいて写っている写真を使わせていただきました。
「写真虎の穴ハマチャンネル」はこちら↓↓↓
https://www.youtube.com/channel/UCGt-QiMUUPGqwG2t9Y8GB7A
ボケについていろいろと言いましたが、こうしてメインの被写体に人物が写っているとなんだかいい感じに見えるので不思議です。
カメラやレンズの写りって、やっぱり人物を撮ると感じ方が変わって見えてくるところありますね。
本当に、人を撮るといいレンズなのだと思います。
では、カメラ本体とレンズについての解説なのですが、
TOPCON RE-2は、開放測光、機械式の縦走りシャッターと、1965年の一眼レフカメラとしてはかなり先進的な内容を持っています。
というか開放測光自体、この機種より前に発売したTOPCON RE SUPERが世界で初めて実現したものなんですよね。
スペック的なところをみていくと、
シャッターはコパルスクエアSで、Bと1秒~1/1000秒。
↓の画像はNikomat FTNから取り出したもの
コパルスクエアSを使ったカメラに共通することですが、シャッターダイヤルの軸がフィルム面に対して垂直になっています。
シャッターダイヤルの処理については、たとえばニコマートではレンズマウントの周りにシャッターダイヤルを置いていますが、
このTOPCON RE-2ではボディの右手側にそのままダイヤルを置いています。
TOPCON RE SUPERなどそれまでの東京光学製一眼レフの横走り布幕シャッターではなく社外製のコパルスクエアSを用いたことで、低価格で一眼レフを販売することができるようになったわけです。
※音声では触れませんでしたが、コパルスクエアSはコパルと東京光学の共同開発とのこと[4]「TOPCON CLUB-Forcal Plane Shutter SLR 4 (RE-2 & IC-1)」(2022年6月24日閲覧)
http://www.topgabacho.jp/Topconclub/FPslr4.htm
巻き上げはレバー巻き上げです。
同じコパルスクエアを使ったニコマートFT系機種と同じく、分割巻き上げはできません。
巻き上げの感触はなんだかバネを引き伸ばすような感じで、ニコマートFT系機種ととても似ています。
というかこのカメラ、シャッターユニットが同じなので当たり前かもしれないのですが、シャッターの感触、ミラーショック、シャッター音など、全体的な感触がニコマートそのものという感じがあります。
このTOPCON RE-2はファインダー周りを清掃した以外はとくにいじっていないのですが、さすがコパルスクエアというか、スローもそれなりに切れています。
露出計は、1965年の一眼レフとしてはとても先進的なTTL開放測光です。
ここについては、世界初の開放測光一眼レフ、TOPCON RE SUPERから機構を受け継いでいます。
露出計の測光なのですが、RE SUPERと同じように、レフレックスミラーの裏側にCdS受光素子を置くミラーメーターになっています。
ミラーに斜めの格子状の模様が見えますが、線の部分が鏡ではなくなっていて、そこから光が受光素子に向かうようになっているんですね。
マウントをのぞき込むとこのように、ミラーへリード線がつながっているのが見えます。
このあたり、もう50年以上前のカメラなので断線しないか不安なのですが、いまのところメーターは触れています。
今回、基本的に露出計の出た目で撮影したのですが露出もネガなら問題なさそうでした。
露出計のスイッチは、マウントの脇、左手側の下の方にあります。
単なるスイッチです。
ここについては、もっと後の時代に当たり前になる、巻き上げレバーを引き出すとONになるような機構のほうがいいな、と思いました。
今回外に持ち出したときも、何度も露出計のスイッチを切り忘れていました。
電池はMR-9水銀電池です。
レンズマウントは、東京光学のフォーカルプレーンシャッターの一眼レフに共通するエキザクタマウントです。
じつはエキザクタマウントのカメラを使うの初めてなんですよね。
エキザクタマウントといっても、開放測光のために独自拡張されています。
マウントの上に左右に動く部分があります。
ここがレンズの絞りの値をボディへ伝達する部分です。
ほかのメーカーにも同じように絞り値を伝達する機構を持ったマウントがありますが、この機構を東京光学が特許として押さえていて、ほかのメーカーが使用料を払っていたのは有名です。
下の画像のようにレンズと噛み合います。
ファインダーはこんな感じで、非常にシンプルです。
露出計のスイッチが入っていないときは、右下に針だけが見えます。
露出計のスイッチを入れると、このように露出計の定点が出てきます。
この定点に針を重ねると適正露出になる定点合致式です。
ファインダーの中央にはマイクロプリズムがあります。
マット面はまあ普通に合わせやすいかな、という感じです。
今回使ったレンズはRE. Auto-Topcor 58mm F1.8です。
RE. Auto-Topcor全般にいえることですが、レンズの鏡筒が本当に美しいんですよね。
白いマットな銀色の鏡筒にゴム巻き、レンズの写りがどうというよりも、東京光学にしかないこの見た目だけでこのレンズで撮りたくなります。
REオートトプコールというと58mm F1.4がとても有名でものすごく高くなってますけど、この58mm F1.8でも全然トプコールの魅力を感じられるんじゃないかと思います。
資料がないのでソースがWikipedia(Wikipediaの出典はクラシックカメラ専科3)になってしまうのですが、構成は5群6枚ということです[5]「エクサクタマウントレンズの一覧 – Wikipedia」 … Continue reading。
フィルター径は49mmです。
今回、ボディとレンズを買った後にかなりボロボロなフードも購入しました。
フードはバヨネットになっています。
このフード、普通に逆付けも可能で、1960年代のレンズフードとしてはとても先進的だと感じます。
ちなみにこのフードは年代が合っていなくて、刻印は58mmではなく5.8cmとなっています。
ということで、撮影した写真とカメラの特徴について話してきたんですが、
このカメラ、使った感触だけでいうと、もうほとんどニコマートFTNなんですよね。
シャッターとか巻き上げの感触はニコマートFTNそのものです。
違うのはシャッターダイヤルの位置と、レンズを取り付けるときにガチャガチャをしなくていいこと。
というか操作しているときのしっかりしている感でいえば、ニコマートFTNのほうが全然上だと思います。
でも、やっぱり東京光学のカメラということで、他のメーカーにない魅力があるんですよね。
トップカバーのメッキとかプレスの質はとてもよくて、とくにメッキの銀色はほかのメーカーにはないもののように感じます。
ちょっとメッキの色が青っぽいんですよね。
もちろん、さっき話したレンズの鏡筒のスタイリングもものすごく格好いいです。
それからいうまでもなく、TOPCON RE SUPERの角ばった形状を受け継いだペンタ部の処理も好ましいと感じます。
以前紹介したことのあるTOPCON 35-Sのような精密すぎるくらい精密みたいな感じとは違うのですが、全体的にスマートなんです。
ニコマートFTNはどちらかといえば無骨なカメラですからね。
感触や立ち位置はニコマートFTNと似ていますが、趣味的な目線で見るとまったく違う魅力があるカメラなのだと思います。
いまとなってはコパルスクエアSの耐久性も保証されているので、その点でも実用向きなのかもしれないですね。
ということでTOPCON RE-2のお話でした。
以前から東京光学の一眼レフ、使ってみたかったのですが、中級機種とはいえやっぱりトプコンは使っていて満足感があるなーと思いました。
TOPCON RE SUPERとまったく別のカメラであることはわかっているので、そのうちREスーパーも手に入れてみたいです。
ありがとうございました。
御部スクラでした。
↑1 | 『昭和10~40年 広告にみる国産カメラの歴史』1994年、朝日新聞社、p.392 |
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↑2, ↑3 | 『昭和10~40年 広告にみる国産カメラの歴史』1994年、朝日新聞社、p.259 |
↑4 | 「TOPCON CLUB-Forcal Plane Shutter SLR 4 (RE-2 & IC-1)」(2022年6月24日閲覧) http://www.topgabacho.jp/Topconclub/FPslr4.htm |
↑5 | 「エクサクタマウントレンズの一覧 – Wikipedia」 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%82%AF%E3%82%B5%E3%82%AF%E3%82%BF%E3%83%9E%E3%82%A6%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%BA%E3%81%AE%E4%B8%80%E8%A6%A7 |
みなさんこんにちは。
フィルムカメラ系VTuberの御部スクラ……ですが、今回はデジタルカメラの話です。
富士写真フイルムのデジタル一眼レフカメラ、FinePix S2 Proについて話します。
“FUJIFILM FinePix S2 Pro デジタルであること自体に価値があった時代のデジタル一眼レフカメラ” の続きを読む
国会図書館の次世代デジタルライブラリーを眺めていたら、X線間接撮影について解説した1943年の書籍があったのでメモ。
書誌情報:横倉誠次郎 『エックス線間接撮影 1』1943、南江堂
コニカやセイキキヤノンについての文章でよく出てくる「X線間接撮影」というものについての解説書。
カメラマニア視点としては、ルビコン(Rubicon)や精機光学の間接撮影用カメラの図版が掲載されていることが興味深い。
なおかつ著作権が切れているのでそのようなカメラの図版として用いることができるのが非常に便利。
図版引用元はすべて横倉誠次郎 『エックス線間接撮影 1』
出典:横倉誠次郎 『エックス線間接撮影 1』p.16
出典:横倉誠次郎 『エックス線間接撮影 1』p.17
↓関連記事
出典:横倉誠次郎 『エックス線間接撮影 1』p.13
正方形の画面であるのはそういう意味もあったのかと納得。
国会図書館の次世代デジタルライブラリーで、カメラ・写真関連で面白そうなものをメモ。
メーカー名で検索が可能なので、戦前のカメラについて広告図版が必要な場合、調達が非常に容易。
東京光学(TOPCON、トプコン)のRE. Auto-Topcor 58mm F1.8の自動絞りに粘りがあったため分解したのでメモ。
佐藤成夫さんの韓国カメラ本の影響で、個人的に韓国カメラについて調べる熱が高まっています。
韓国のカメラについて調べれば調べるほど明白に感じることが、政治史と密接にかかわっているということです。
そもそも、大韓光学の設立からして日韓基本条約が結ばれた直後の出来事なのです。
にもかかわらず、これまで韓国の歴史を理解せずに韓国カメラを語ってきた。
これは愚かというほかありません。
そこで、通っていた大学のシラバスを検索し、韓国史・朝鮮史関連の書籍を見繕うことにしたのでした。
中国語で、連動距離計によるフォーカシングのことを「黄斑对焦」というらしい
二重像が黄色く着色されていることが多いからでしょう。
↓事例
https://www.zhihu.com/question/23239879
人生が(自分の思い込みでドツボにハマって)終了するたびに、なぜか、そのときの自分に与えられるべき作品と出会ってきました。
まさに、神のようなものがそのように備えて与えてくれたかのような。
前回は伊藤計劃の『ハーモニー』だったのですが、今回はアニメの『無職転生』でした。
結論からいうと、素晴らしいの一言でした。