みなさんこんにちは!
フィルムカメラ系VTuberの御部スクラです。
今回は「撮りっきりコニカMiNi WaiWaiワイド」を紹介します。
Contents
撮りっきりコニカMiNi WaiWaiワイド
撮りっきりコニカMiNi WaiWaiワイド 外観とスペック
※この写真ではレンズの周りの自撮り用鏡パーツが取り外されています。
レンズ:17mm F11 2群2枚 プラスチック製
シャッター:1/100秒固定
巻き上げ:ノブ巻き上げ
カウンター:逆算式
フォーカシング:固定
ファインダー:逆ガリレオ式
フィルム装填:-
使用フィルム:35mmフィルム(オリジナルはISO800)
発売年:2002年
発売時価格:-
製造元:コニカ
撮りっきりコニカMiNi WaiWaiワイドとは
撮りっきりコニカMiNi WaiWaiワイドが発売されたのは2002年。
2000年代の前半に、フィルムカメラマニアの間で流行ったカメラだったらしいです。
今回は友人から使用済みのものを譲ってもらったものを使っています。
撮りっきりコニカというのは、写ルンですと同じレンズ付きフィルムという種類の製品です。
ようするに「コニカというメーカーが出した写ルンです」ですね。
この撮りっきりコニカ WaiWaiワイドには、レンズ付きフィルムのなかでは他にない特徴があります。
それが、超広角レンズがついているということ。
レンズは17mm F11。
2群2枚のプラスチック製レトロフォーカスレンズです。
ライカ判、いわゆる35mmフルサイズの場合、17mmという画角は生半可な広さではありません。
すごいワイドな範囲が写ります。
デジタルカメラの時代になって、ある程度のマニアなら広角ズームを持つことが一般的になりましたが、2002年という時期を考えるとこのレンズが注目されたのもうなづけると思います。
こういうのでいいんだよ。中国ブランドレンズベスト3
ジャンクばかり漁るような人なので買えなかったのですが本当はこういうのが欲しかったというレンズランキングです。1位:TTArtisan 50mm F0.95 ASPH
クラカメブームも今は昔、カメラ趣味の本場はもはや中国なんじゃないかと思わせるブランド、銘匠光学。 MマウントでF0.95のレンズは趣味のための存在にほかならないのですが、それをいま作るというのは本当に粋だなあと感じる商品です。2位:TTArtisan 28mm F5.6(Mマウント)
35mm一本よりも50mmと28mmという人だったので、28mmレンズは好物でした。 ライカMマウントの28mmは安いレンズの決め手に欠ける焦点距離なので、中国製のこのレンズはありがたい存在だといえます。3位:FUNLEADER CAPLENS 18mm F8
何考えてるんだ! といいたくなるような広角レンズ。 昔だったらWaiWaiワイドのレンズを移植したりしてたのに。 もうこういう商品は中国の人に任せておけばいいんじゃないかな。使用フィルムについて
さて、この撮りっきりコニカWaiWaiワイドは、写ルンですみたいな感じのレンズ付きフィルムなので、当然ながら普通は一度しか使えません。
お店に現像に出したら回収されてリサイクルされます。
でも、自分でフィルムを詰め替えることで、何度も繰り返し撮影できるんです。
2000年代前半には、そうやってマニアが撮影した写真が、よく個人WebサイトにUPされていました。
わたしはそれより下の世代なので、後追いでそういう写真を見ていたんですけど。
ただ、詰替えで撮影するのは当然ながらメーカーが推奨している行為ではないので自己責任です。
なので、お店に現像に出さないといけないカラーネガではなくて、モノクロのネガを入れて自家現像しました。
撮りっきりコニカWaiWaiワイドはもともとISO800の高感度フィルムが入って売られていたのですが、今回はISO400のAgfa APX400を入れました。
シャッター速度が1/100秒固定で絞りがF11固定なので、日中ならラティチュードの範囲内で問題ないです。
作例
それじゃあ、撮影した写真を見ながら話していきます。
なんで、こんなワイドなレンズがついたのかっていうと、
じつは自撮りのためです。
といっても、フィルムカメラだからスマホみたいに液晶を見ながら撮ることはできないので、このレンズの周りの鏡を見ながら撮影します。
自撮りのために開発した、っていうのは、当時このカメラを開発した人が書いた論文にも書いてあって、2000年くらいに若者が写ルンですみたいなカメラで自撮りしていたのに注目して、そのためのカメラを作った、ということらしいです。
※コニカミノルタ公式サイトより「撮りっきりコニカMiNi WaiWaiワイドの開発」(pdf)に書いてあります。
https://www.konicaminolta.jp/about/research/technology_report/2003/pdf/07.pdf
そのための超広角レンズなんですけど、そこに当時のカメラマニアが目をつけたのでした。
17mmのレンズが、たった1000円くらいで購入できるんですからね。
いま写している作例みたいに、ほんっとうにワイドな範囲が写ります。
もちろん、画面の周辺は画質が悪くなったり、盛大にタル型の歪みがわかるカットもありますけど、そんなことは超広角のインパクトの前ではどうでもいい、という感じです。
撮影した写真を見た感想が「懐かしい」ということだったんですよ。
フィルムだから懐かしい、とかじゃなくて、昔のカメラ愛好家の個人WebサイトによくUPされていた感じなので、懐かしいと感じたんです。
フィルムの粒子の感じもそうだし、いま貼っている写真、レタッチしたあとにトーンカーブ持ち上げてますけどそういう画作りも、けっきょく2000年くらいの流行を引きずってるんですよね。
機構面
最後にメカ的な面ですが、使い方は写ルンですとまったく同じです。
巻き上げてシャッターを押すだけ。
ただし、フィルムが入っていないとシャッターがチャージされない構造になっているので、いま動画に写っているWaiWaiワイドのシャッターを切ることはできません。
フィルムのパーフォレーションでギアを回してチャージする、よくある構造になっているんですね。
詰め替えの方法について詳しくは触れませんが、基本的にはプラスチックの爪ではめあわされているだけの構造です。
超広角レンズのため、指が写り込まないようにレンズの周りをガードする部品がついています。
ネット上の詰替え記事ではこの部品を外しているものもありますが、わたしは付けたままにしています。
※この部品を外しても動作自体には関係ありません。
まとめ
今回、撮りっきりコニカ MiNi WaiWaiワイドで撮影して、わたしがフィルムカメラをはじめた頃に、個人Webサイトにいろいろ勉強させてもらったなぁ、ということを思い出しました。
いつのまにか、わたし自身がコンテンツを作る側になってしまっていたのですが、今度はわたしが少しでもフィルムのカメラ、いや、フィルムに限らず写真やカメラについて伝えていく側になれたら、と思います。
というわけでWaiWaiワイドの紹介でした。
ありがとうございました!
参考文献
コニカミノルタ公式サイトより
テクノロジーレポート 2003年版収録
https://www.konicaminolta.jp/about/research/technology_report/2003/index.html
「撮りっきりコニカMiNi WaiWaiワイドの開発」(pdf)
https://www.konicaminolta.jp/about/research/technology_report/2003/pdf/07.pdf