Kodak M35 マニア視点でレビューしてみた【フィルムカメラ】

Kodak M35 マニア視点でレビューしてみた【フィルムカメラ】

みなさんこんにちは。

フィルムカメラ系Vtuberの御部スクラです。

今回はコダックブランドのフィルムカメラ、M35について話します。

Kodak M35

このコダックM35、わたしのチャンネルで取り上げるカメラとしては一番新しい製品で、というか現行品です。

なのでいろいろなYoutuberの方がレビュー動画とか使ってみた動画をUPしているのですが、マニア視点で真面目にレビューしてみようと思います。

では見ていきましょう。

Kodak M35の外観とスペック

Kodak M35

Kodak M35

Kodak M35

Kodak M35

レンズ:31mm F10 1枚レンズ
シャッター:1/120秒 単速
巻き上げ:背面ノブ
カウンター:順算式、自動復元
フォーカシング:固定焦点(1m~無限遠)
電源:単4電池x1(ストロボ用)
ファインダー:逆ガリレオ式 プラレンズ
フィルム装填:蝶番による裏蓋開閉
使用フィルム:35mmフィルム
発売年:2010年代後半?
製造元:香港中诺集团がKodakへ供給?

Kodak M35の機構

まず、機械的なところから。

コダックM35は、みてのとおり、手動巻き上げ、手動巻き戻しで、固定焦点、シャッター速度も絞りも固定のコンパクトカメラです。

スペックなのですが、日本語のウェブサイトを探しても公式の商品ページがないんですね。
なので、アメリカのコダックの公式Webサイトの商品説明を見ようとしたのですが、

アメリカのコダックの公式Webサイトの商品説明

参考:「KODAK M35 Film Camera | Kodak」(2021年6月18日閲覧)
https://www.kodak.com/en/consumer/product/cameras/film/m35

ご覧の通り、香港中诺集团(Xiānggǎng zhōng nuò jítuán)という簡体字中国語のサイトの、柯达授权产品、つまりコダックに供給している製品のページに飛ぶんですね。

香港中诺集团(Xiānggǎng zhōng nuò jítuán)という簡体字中国語のサイト

なので香港中诺集团、英語だとSino Promise Groupが作っているカメラということなんだと思います。

「柯达胶卷相机 M35 – 中诺集团」(2021年6月18日閲覧)
http://www.sinopromise.com/content/info/id/49.html

さて、その商品ページに載っているスペックですが、

まずレンズが31mm F10。
プラスチック製の1枚レンズ、単玉です。

31mm F10

ピントは固定で、1mから無限遠まで。

シャッター速度は1/120秒の固定です。

ファインダーはプラスチック製の逆ガリレオ式ファインダーで、フレームなどはありません。
ファインダー視野率は70%です。

ストロボが内蔵されていて、前面のスライドスイッチでON – OFFします。
ストロボの電源は、単4電池1本です。

ストロボのスイッチと絞り

さて、スペック以外の細かい所についての話なのですが、

まず、ストロボのスイッチ。

じつはこのカメラ、内部にターレット式の絞りが内蔵されていて切り替わります。

よく見えるかわからないのですが、ストロボのスイッチをスライドすると、
ストロボOFFのときは絞り込まれていて、

ストロボOFFのときは絞り込まれている

ストロボをONにするともう少し直径が大きな絞りに切り替わります。

ストロボONで絞りが開く

レンズの奥には固定の絞りも設けられているのですが、この切替式の絞りはどちらも固定の絞りよりも直径が小さいです。

今回、このコダックM35はストロボが光らないというものを安く買ったのでちょっと分解してみたのですが、
ご覧のように非常に単純に、ターレットが回転して絞りを切り替える仕組みになっていました。

ターレットが回転して絞りを切り替える仕組み

ただ、これは個体差もあると思うのですが、わたしの手元にあるこのM35はストロボONのときちょっと絞りが行き過ぎて、光軸からずれてしまっている感じがあります。
今回は絞りが中央に来るように、スイッチONのとき見た目で確認しました。

外装の構造

前後しますが、このカメラの構造は、色のついている外装カバーと、カメラ本体の黒いフレームとがプラスチックのツメではめ合わされているだけです。
けっこうチープな印象なのでこじって開けるとき割れてしまわないか心配だったのですが、とりあえず問題なく分解できました。

ただ、ストロボのスイッチとフィルムカウンターの部品はフレームに載っているだけなので、組立が少し面倒です。

ちなみにストロボが光らないのは内部の問題ではなく、単に金属の電池接点が歪んでいるだけでした。

フィルム装填関係

次にフィルム装填についてなのですが、フィルムの先端を引き出して、巻き上げ軸の上に乗せて裏蓋を閉めるだけです。

巻き上げ軸の上に乗せて裏蓋を閉めるだけ

この構造はかなりよくできていて、軸の上にフィルム先端を乗せるだけで、うまい具合にパーフォレーションが引っかかって巻き上げていってくれます。
これなら初めてフィルムのカメラを触る人でも問題ないと思います。

それから、このカメラはシャッターチャージを、アパーチャーの上にあるパーフォレーションと噛み合うギアで行うようになっています。

パーフォレーションと噛み合うギアでシャッターチャージ

写ルンですのようなレンズ付きフィルムや、CanonのCanonet Juniorと同じような構造ですね。

いままで、パーフォレーションでチャージする理由というのがいまひとつわかっていなかったのですが、実際にこのカメラを使ってみて、初心者向けカメラには非常にすぐれた方法だということがわかりました。
というのが、この方法なら、フィルム先端が巻き上げ軸と噛み合っていない場合、そもそもシャッターがチャージされないので撮影できないんですね。
これなら、そもそも撮れないのだからフィルムがうまく入っていないことが誰でもわかります。
それに、シャッターがチャージされないときは巻き上げ自体も行われていないのでフィルムを無駄にすることもありません。

そのほかの構造

裏蓋を開いているのでついでに触れますが、見ての通りフィルム面が湾曲している、1枚レンズのカメラの常套手段ともいえる構造です。

あとは、このカメラは基本的にプラスチックでできたカメラで、バネのような部材も基本はプラスチック製です。
裏蓋のロックもプラスチック製です。
なので壊れるときは壊れると思います。

初心者向けカメラとして考えられた構造

と、コダックM35の構造について見てきましたが、思いのほか、初心者向けのカメラとして考えられた構造になっているな、と感じました。
このチャンネルで何本か使い方解説の動画もUPしましたが、やっぱり、いちばん面倒なのってフィルムの入れ方の説明なんですよね。
その部分が、生まれてはじめてフィルムを触る人でもなんとかなる構造になっているのはすごいと思いました。

Kodak M35で撮った写真

それじゃあ、このカメラで写真を撮るとどんな感じなのでしょうか?
見ていきましょう。
使用フィルムはKodak ColorPlus 200です。

はい。いつもの河川敷に写真を撮りにきたのですが、

Kodak M35で撮った写真

Kodak M35で撮った写真

Kodak M35で撮った写真

……なんだか、これはこれでいいんじゃないか、という気持ちになってしまいました。

フィルムカメラにはじめて触る世代が、ローファイな写真こそがフィルムっぽさだと感じていることについてはいろいろと言われています。
でも実際にそういう写真を自分の手で撮ってみると、それはそれで悪くない、と思っちゃうんですよね。

Kodak M35で撮った写真

Kodak M35で撮った写真

Kodak M35で撮った写真

もちろん、それはわたしがちゃんと写るフィルムカメラを持っているからでもあるんですけど、その立ち位置って、「ちゃんと写る」スマホのカメラを持っている人が、ちゃんと写らないフィルムカメラを使うのと同じといえば同じなんですよね……。

問題は、それが全てではない、ということではあるんですけど、たまにこういった感じのカメラにフィルムを通してみることって、もしかすると写真を撮ることのストレッチになるのかもしれないな、と思いました。

次に何枚かストロボを炊いた写真も流します。

Kodak M35で撮った写真

Kodak M35で撮った写真

Kodak M35で撮った写真

人物写真は動画に載せにくいので花が被写体なのですが、これもまた、うん、これでいいんだよな、という気持ちになるんですよね。
花の写真、このカメラで自撮りしたときと同じくらいの撮影距離だと思うのですが、こんな具合に記念写真を撮れたら、そりゃ楽しいに決まってますよね。
ただし、それはスマホのカメラ「も」あるからにすぎないのですが。

Kodak M35の値段

最後に、コダックM35の値段について触れます。

2021年12月22日現在で、コダックM35はAmazonだと3,737円です。

微妙にフラッシュの光量が増しているらしいKodak M38は、外装の色によって値段が異なりますが、Amazonで4,450円からとなります。

だいたい4000円前後です。
カメラが好きな人からすると、このスペックに対して高すぎると感じるかもしれません。
実際わたしも中古で買いました。
新品じゃ買わないです。

なんですけど、実際問題として新品のカメラを、ちゃんとパッケージングして、個人輸入とかではなくちゃんとした流通で売ると、これくらいしてしまうのだと思います。
しかも、いまは2021年で、こういうカメラはもはや一般的な商品ではないですからね。

先日初心者向けの動画を作りましたが、カメラについて詳しい人についていってもらえるならいいですが、誰もが詳しい人に教えてもらえるわけじゃないんですよね。
わたしが一緒に買いに行くならこのカメラは薦めないですが、知識がないときに選ぶ選択肢としては、ベストではないがベターなのだと思います。

新品で買えること。
それがこのカメラの最大の存在意義なのでしょう。

まとめ

というわけで、コダックM35の話でした。

こういう感じのカメラ、最近はAgfaとかIlfordとかのブランドでも出ていますけど、内容に比べて高すぎる! という印象だけで語らずにちゃんと触らないと嘘になるな、と思ってレビューしてみました。

結論からいえば、マニア視点だとたしかに高いけど、それはあくまでマニア視点でしかなくて、新品で買ってちゃんと動く商品として考えると、適切な値段なんだと思います。

それに……。
このカメラで撮った写真、普通にすごくよかったです。

Kodak M35で撮った写真

新品で買わなくてもいいですが、こういう感じのカメラをたまに触ると心がほぐれるなー、と思ったのでした。

ありがとうございました。
御部スクラでした。