みなさんこんにちは!
フィルムカメラ系VTuberの御部スクラです。
今回は、Canonのフィルムカメラ、EOS Kiss IIIについて話します。
Contents
Canon EOS Kiss III
Canon EOS Kiss III 外観とスペック
レンズマウント:Canon EFマウント
シャッター:縦走りフォーカルプレーンシャッター B、30秒~1/2000秒、シンクロ速度1/90秒
巻き上げ:自動
露出計:35分割SPC受光素子、TTL評価測光・中央部部分測光・中央部重点平均測光
カウンター:液晶表示
フォーカシング:広視野7点CMOSセンサーによるTTL二次結像位相差検出方式
電源:CR2 x2個
使用フィルム:35mmフィルム
発売年:1999年
発売時価格:64,000円
製造元:キヤノン
参考資料:「EOS Kiss III – キヤノンカメラミュージアム」(2021年12月22日閲覧)
Canon EOS Kiss IIIについて
Canonカメラミュージアムの紹介によれば、このEOS Kiss IIIは1999年の4月に発売されたフィルムカメラです。
Canonのエントリー機種のブランドとしていまも続いているEOS Kissの、名前の通り3機種目になりますね。
(初代EOS Kiss、New EOS Kiss、このEOS Kiss IIIと続く)
Canon EOS Kiss IIIの特徴
さて、このカメラの特徴なのですが、ぱっと見では前の機種であるNew EOS Kissとの差がいまひとつわかりにくいんです。
実際、初代EOS Kissも、New EOS Kissも、このEOS Kiss IIIも、ジャンクでは一緒くたに同じくらいの値段で売られています。
そこで、Canonの公式Webサイトにある、キヤノンカメラミュージアムというコンテンツを見にいったところ、どこが違うのかがわかりました。
小型軽量化
まず、小型軽量化されているということ。
いわれれてみると確かにEOS Kiss IIIのほうが軽いです。
New EOS Kiss 399.4g
EOS Kiss III 374.8g
ボディそのものもそうなのですが、使用する電池がNew EOS KissのCR123 2本からCR2 2本に変更されているのも軽量化に貢献していると思います。
CR2とCR123A、Amazonを見てみると値段はほぼ変わらないので価格面でのメリットはないですが、軽いのはよいことです。
このEOS Kiss IIIは初心者向け動画で実際に撮影に使いましたが、いわれてみると確かに軽かった気がします。
とはいえ、これより前のEOS Kissも十分に軽かったんですけどね。
いっぽう、ジャンクでも普通に動いているものが珍しくないので、耐久性もそれなりにあると思います。
こればかりは今後どうなるかわからないですけどね。
AF測距点が増えた
さて、キヤノンカメラミュージアムに書いてあるその他の改良点としては、
オートフォーカスが3点測距から7点測距へ。
ファインダーを見ると、たしかに測距点が増えています。
動画だと伝えづらいのですが、同じレンズを付けて薄暗い室内でピントを合わせてみると、たしかにNew EOS Kissだと少しAFが迷う場面でも、EOS Kiss IIIは迷わずにすっとピントを合わせてくれました。
被写界深度が確認可能
解説を読んでいてカメラ好きとして目を惹かれたのは「被写界深度確認が可能になり」というところでした。
ただ、カメラ本体のボタンを見ただけだと操作方法が全然わからないんですよね。
そこで英語のGoogleで検索してみたところ、キヤノンのアメリカでの現地法人、Canon USAが英語版マニュアルを公開していました。
「EOS Rebel 2000 / Rebel 2000 Date Instructions English edition」(2021年6月28日閲覧)
https://www.usa.canon.com/internet/portal/us/home/support/details/cameras/support-eos-35mm-slr-cameras/eos-rebel-2000?tab=manuals
そうしたら普通に、レンズ着脱ボタンの下に絞り込みボタンがありました……。
参考:上記マニュアルp.47
言われてみればここ以外ありえないんですけど、もともとNikonとPENTAXのユーザーだったので、Canonの操作系にうといんですよね。
こんなわかりやすいボタンに気づかなかったのは正直恥ずかしいです……。
ちなみに今回気がついたのですが、Canon USAの公式サイトには初代EOS1やEOS 5、IXYあたりの説明書がUPされているので、資料として役に立ちそうです。
ただ、日本とは機種名が異なるのと、サイトのUIがあまりよくないので使いやすくはないのですが……。
レベルがとても高いカメラ
そのほかにも露出計がNew EOS Kissの6分割から、35分割の評価測光になったりとか、とにかくフィルムカメラ現役時代末期ならではの高性能になっているのですが、もう一般に使用するなら、変化のレベルが高すぎて差がよくわからないくらいです。
被写界深度確認とかにしても、もうそれくらいしか載せられる新機能がないのでは、という感じがあります。
パノラマ周りの細かい違い
あと、実際にこの機能を使う人は少ないと思うのですが、この時代のフィルムカメラなので疑似パノラマの機能がついています。
ここも微妙に違っていて、
New EOS Kissだとパノラマに切り替えても撮影する部分がマスクするだけで、ファインダーはそのまま。ファインダースクリーンに入っている線で撮影範囲を確認するようになっていました。
いっぽう、EOS Kiss IIIではファインダーの上下がきちんとマスクされます。
このへんも前機種で足りなかった細かい部分をアップデートした感じがあります。
日付は2019年まで
ちなみにEOS Kiss IIIのオートデート機能は2019年で終わりです。
キヤノンカメラミュージアムによると、その次に出た2001年のEOS Kiss IIILも2019年までで、
2002年発売のEOS Kiss 5から2099年まで対応となったようですね。
参考:(どちらも2021年6月28日閲覧)
「EOS Kiss III L – キヤノンカメラミュージアム」
https://global.canon/ja/c-museum/product/film229.html
「EOS Kiss 5 – キヤノンカメラミュージアム」
https://global.canon/ja/c-museum/product/film236.html
EOS Kiss IIIで撮った写真
最後に、これは他の動画でも同じものを出しているのですがEOS Kiss IIIで撮った写真です。
使っているレンズはEF 28-80mm F3.5-5.6 II、フィルムはKodak ColorPlus 200です。
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ジャンクのカメラを買って使う、という内容の動画のために購入したレンズなので内部の状態がそこまでよくないのですが、ご覧の通り普通に写っています。
というか、もはや普通に写って当たり前の時代のカメラなんですよね。
誰が使っても確実に写るというのは、本当に偉大なことだなーと思いました。
関連書籍
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※版元の朝日新聞出版公式Webサイトにある紹介ページによれば、EOS Kiss IIIの記事も収載されています。
まとめ
というわけでCanon EOS Kiss IIIのお話でした。
正直、普通に使うぶんにはNew EOS Kissとの違いがあまりわからないのですが、それくらいCanonのEOS Kissというシリーズの完成度が高かったということなのだと思います。
そういったなかでも、このEOS Kiss IIIの最大のメリットがあるとすれば、やっぱり軽くて小さいということでしょう。
初心者向けのAF一眼レフを再評価した播磨屋市蔵さんも書いていましたが、ジャンクの値段は同じくらいなので、New EOS KissとEOS Kiss IIIがあったら、このEOS Kiss IIIのほうを選ぶのがおすすめです。
ありがとうございました。
御部スクラでした。