コニカのフィルムについて語る動画 小ネタ3本立て(期限切れカラーネガ経年変化/コニカのポジ/末期コニパン)

みなさんこんにちは。
フィルムカメラ系VTuberの御部スクラです。

今回は、コニカのフィルムに関する小ネタ3本立てです。

1.コニカの期限切れフィルムは劣化が激しいって本当?

まずは、コニカの期限切れフィルムで撮ってみたという内容です。

きっかけ

このことについて取り上げようと思ったきっかけは、佐藤成夫さんのこちらのツイートでした。

いわく、コニカのフィルムは信じられないくらい劣化が激しい。
かといって以前使っていた人の情報もネットには少ない。

という内容です。

コニカ 業務用カラーフィルム400(2003年期限)

ということで、コニカの期限切れカラーネガフィルムで撮影してみました。

使用したのはこちら。

コニカ 業務用カラーフィルム400。

コニカ 業務用カラーフィルム400(2003年期限)

コニカ 業務用カラーフィルム400(2003年期限)

コニカ 業務用カラーフィルム400(2003年期限)

2003年期限なので、いまから19年前に期限切れしています。
おそらく常温保存だと思います。

センチュリアなどではないのが残念ですが、せっかくのコニカのフィルムなので、以前分解して露出に問題なく撮れることがわかっている、コニカC35EF ピッカリコニカに入れて撮影してみます。

Konica C35EF(ピッカリコニカ)と写真家 増山たづ子さんの話

フィルムを入れました。
フィルムはISO400ですが、かなり期限を過ぎているので今回ISO100に設定して撮影してみました。

コニカのライトボックス

コニカのライトボックス

ライトボックスもコニカのものを使います。
光源は蛍光灯です。

今回スマホで適当に撮影したのでフリッカーが出ていますが使えます。
ちなみにこのライトボックス、ジャンクで100円くらいで買いました。

コニカ 業務用カラーフィルム400の撮影結果

それでは、撮影結果を見てみましょう。
今回撮影したコニカの業務用カラーネガをライトボックスの上に置いてみました。

現像したコニカ業務用400を置いてみる

見ての通り、かなり厳しい状態です。
たぶん被っている?のでしょうか。
像自体もかなり薄いです。

でも。
こうやってよーく見てみると、一応なにかが写っていることはわかるんですよね。

一応なにかが写っている

デジタルカメラで複写してみます。
反転前の状態がこれです。

コニカ業務用400 反転前

それなりの光源で複写すると、こうして一応はなにかが写っているということはわかります。
でも、この時点でかなりキツいです。

反転してみます。

コニカ業務用400 反転後

こんな感じです。

あー、うーん……という感じですね。
現像が上がってきた時点でわかっていたことですが、描写がどうとか、色がどうとかいうレベルじゃないです。
これは。

ほかのカットも見てみます。

コニカ業務用400 2003年期限(19年落ち)作例

コニカ業務用400 2003年期限(19年落ち)作例

コニカ業務用400 2003年期限(19年落ち)作例

コニカ業務用400 2003年期限(19年落ち)作例

このとおり、当然ですが劣化が激しいです。

このフィルムを撮ったのは2022年の6月の終わりで、東京は快晴、35℃くらいの猛暑でした。
なので鮮明な写真を撮るなら露出の面で問題は一切なかったのですが、この結果です。

やっぱり、コニカのフィルムって本当に劣化が激しいんですね……。

他のメーカー製フィルムと比較

それでは、ほかのメーカーはどうなのか比較してみましょう。
残念ながらわたしの手元に35mmの期限切れカラーネガで撮った写真はないのですが、
APSフィルムなら、同じくISO400の富士フイルムNexia 400、2003年期限のカラーネガで2020年に撮影したものがあります。
今回のフィルムの19年落ちより2年短い、期限を17年過ぎたフィルムになりますね。
こちらもおそらく常温保存です。

以前、ミノルタVectis S-1の動画で使用したものになるのですが、

MINOLTA Vectis S-1(ミノルタ ベクティスS-1) APSフィルム一眼レフを紹介する動画

Vectis S-1作例

Vectis S-1作例

この通り、今回のコニカ業務用400に比べるとはるかに写真として成立しています。
Vectis S-1の動画を作ったときは劣化しすぎていて厳しいと感じたんですけどね……。

やっぱり、富士のカラーネガは経年劣化に強いです。

それから、モノクロですがコダックのトライX。
リコーフレックスVI型の動画で使った写真ですが、

RICOHFLEX VI 1950年代前半を彩った大衆機リコーフレックスの話

たしか2011年くらいが期限のトライXでした。

リコーフレックスVI型作例

リコーフレックスVI型作例

じつはこれのネガ、ベースがかなり被っていました。
フジのモノクロフィルムはかなり期限が切れていてもベースが被っていることはなかったので、現像したときかなり驚いたんですよね。

どうやら、期限をかなり過ぎてもベースが被らないのはフジだけのようです。

ということで、コニカのカラーネガは劣化が激しいのは本当か試してみた結果、かなり劣化することがわかりました。
もちろん、サンプルが1つだけだし、購入以前の保存状態がわからないのですが、カメラ店の常温のジャンク箱になったもの同士の比較なので、富士よりも劣化しやすいのは本当なのだと思います。

2.コニカミノルタ SINBIで撮った写真

次に。
同じくさきほどの佐藤さんのツイートに、以前コニカのフィルムを使っていた人が少ないということが書かれていましたが、一度だけコニカ、というかコニカミノルタのポジフィルムを使ったことがあったので、当時の写真を紹介します。

コニカミノルタ SINBI 100で昔撮影した写真

使ったフィルムは、コニカミノルタ SINBI 100です。
撮影は2006年でコニカミノルタの撤退が決まったあとです。
実は当時、期限逼迫品として安売りされてたから使ったんですよね。
しかも、人生で初めて使ったポジフィルムがこれでした。

フィルムの潜像はこんな感じで、KONICA MINOLTA SRMと書いてあります。

KONICA MINOLTA SINBI 100 スリーブ

撮った写真については、正直内容があんまりよくないんですよね。
あんまり上手く撮れてないです。

コニカミノルタ SINBIで撮った写真

コニカミノルタ SINBIで撮った写真

コニカミノルタ SINBIで撮った写真

使ったカメラはペンタックスLX、レンズはたぶんSMC PENTAX-M 50mm F1.7だと思います。

コニカミノルタ SINBIで撮った写真

撮影場所は長野県で、この見晴らしのいい場所は麦草峠というところの近くですね。
うまく撮れてるカットもあるんですが、一緒に旅行に行った友達が写っているのでちょっとここでは出せないです。

こちらについては、コニカミノルタの時代のSINBIというのはこんな感じだよ、というちょっとした内容でした。

3.コニカミノルタパン100 / 400で撮った写真

最後に。
こちらもなかなか使っている人がいなかったフィルム。
コニカミノルタになってからの時代の、コニカミノルタパン100、そしてコニカミノルタパン400のネガを紹介します。

コニカミノルタパン100 / 400の思い出

100も400も撮影は2005年。
わたしが写真に興味を持って、モノクロフィルムの現像を教わったばかりの頃のネガになります。

コニカミノルタパンについて覚えているのは、とにかく安かったということです。
2005年の時点で、ヨドバシやビックでの値段が、36枚撮りでそれぞれ
コニカミノルタパン100:210円
コニカミノルタパン400:220円

だったんですよね。

同時期、たしか

フジ ネオパン100アクロス
フジ ネオパン400プレスト
フジ ネオパンSS
がそれぞれ330円くらい、

トライXが370円くらい、
さらには当時、ヨドバシの金色のバルクパッケージのトライXも存在した(3本で800円台)ので、コニカミノルタパンは破格の安さでした。

でも、当時現像を教えてくれた人には、コニカミノルタパンなんて使わないでフジを使った方がいいよと言われちゃったんですけどね。

コニカミノルタパン100のネガと写真

コニカミノルタパン100

さて、フィルムを見ていきます。

まずはコニカミノルタパン100から。
フィルムの潜像は、コニカパンではなくて、KONICA MINOLTA PAN 100と書いてあります。

KONICA MINOLTA PAN 100のネガ

写真の被写体ですが、奥武蔵の山の中です。

KONICA MINOLTA PAN 100作例

KONICA MINOLTA PAN 100作例

KONICA MINOLTA PAN 100作例

ネガシートの情報によると、使用したカメラはPENTAX Z-10、レンズはXR RIKENON 50mm F2。
ただし中玉のコーティングが劣化しているものです。
現像はD-76の原液で9分30秒だったとのことです。
そもそも自家現像を覚えたばかりの頃のネガなので、そのへんはあんまり意味ないんですけどね。

KONICA MINOLTA PAN 100作例

KONICA MINOLTA PAN 100作例

KONICA MINOLTA PAN 100作例

KONICA MINOLTA PAN 100作例

KONICA MINOLTA PAN 100作例

まあ、写真の上手い下手はともかくとして、コニカミノルタパン、というかコニカパン100というモノクロフィルム、全然普通に写っていると思います。

そもそも伝統あるコニカのモノクロフィルムなので写らないはずがないんですけどね。

わたしもかつて、こうやって廃墟とか廃村とか撮ろうとした時期、あったんですよねー。

KONICA MINOLTA PAN 100作例

KONICA MINOLTA PAN 100作例

コニカミノルタパン400のネガと写真

続いては、コニカミノルタパン400です。
こちらも潜像に、KONICA MINOLTA PAN 400と書いてあります。

KONICA MINOLTA PAN 400のネガ

こちらも撮影は2005年で、カメラは同じくPENTAX Z-10にXR RIKENON 50mm F2を付けています。
現像はD-76原液 20℃ 13分。

2005年の秋葉原

2005年の秋葉原

こっちはちょっとフィルムの保管状態がよくなかったのと、以前とりあえず内容が見られればよいと思って適当にデータ化したものなので画質も悪いのですが、単純に当時の秋葉原の写真というのが面白いです。

リナカフェが工事中だったり。

2006年、開店前工事中のリナカフェ

おにぎりワッショイのクッションが吊るされていたり。

おにぎりワッショイのクッション

段ボール集めのリヤカーが停まっていたり。

段ボール集めのリヤカー

まだ喫茶店の古炉奈が営業していたり。

秋葉原にあった喫茶店 古炉奈

秋葉原にあった喫茶店 古炉奈

わたしは古炉奈に入店したことないまま終わっちゃったんですけどね。

このあたりの秋葉原の写真は、そのうち世に出すことができたらいいな、と思っています。

2005年の秋葉原

ということで、コニカミノルタ パン100と400で撮った写真でした。
地味にコニカパンではない、コニカミノルタパンの潜像ってみたことない方が多いと思うんですが、どうなんでしょうね。

36枚撮りのフィルムが1本210円、220円で買えるすごい時代でした。
2005年。

まとめ

今回はフィルムについての小ネタの動画でした。

わたしはいまだに写真趣味、カメラ趣味では新参者だという意識が抜けないのですが、徐々に古い時代を知っている側になりつつあるのを感じるので、こういう情報も出していきたいと思います。

ありがとうございました。
御部スクラでした。