みなさんこんにちは!
フィルムカメラ系VTuberの御部スクラです。
今回は、Canonのオートフォーカス一眼レフカメラ、EOS55について話したいと思います。
(この記事は動画用の没台本をそのまま投稿したものです)
Canon EOS 55について
Canon EOS 55は1995年の9月に発売したカメラで、値段はボディが88,000円だったということです「EOS55 – キヤノンカメラミュージアム」(2023年1月21日閲覧)view-source:https://global.canon/ja/c-museum/product/film185.html。
グレードとしては中級機種、ということになりますね。
EOS 55のスペック
ざっくりとスペックや機能を見ていくと、この年代のカメラ、しかも中級機種なので不足する部分はありません。
シャッター速度は30秒から1/4000秒、シンクロは1/125秒です。
1990年代半ばということで操作系も洗練されていて、のちのCanonの中級以上の機種と共通する前後ダイヤルの操作系を備えていますね。
ファインダーも見やすく、以前はMFの機種と比較して物足りないといわれがちでしたが、のちのデジタル一眼レフと比べたら十分に広いと感じます。
倍率は0.71倍、視野率は上下90%、左右92%ということです。
電源
電源は2CR5リチウム電池です。
電池ですが、この蓋の部分についてはいろいろといわれますよね。
ヒンジの部分がプラの薄板だけで、使っているうちに千切れそうだとマニアからはあまり評判がよくないです。
でもまあ、リチウム電池の交換頻度はそんなに高くないので大丈夫なのでしょう。
現にこれも千切れていないです。
EOS 55の弱点
むしろ本当に問題がある場所はほかにあります。
EOS 55にはいくつか弱点があります。
ひとつはシャッターのダンパー劣化。
加水分解でダンパーゴムが溶けて、シャッター羽根に付着するという1990年代中頃までのEOSに共通する不具合です。
ただし、一説にはこのEOS 55の製造途中から対策されるようになったようで、いまのところこのEOS 55には発生していません。
それからグリップのべたつき。
これもEOSをはじめ各社のカメラに生じる不具合ですね。
このEOS 55もべたついていたので、無水エタノールで拭いて、シリコンスプレーを塗布して対応しました。
そして、最大の問題点が裏蓋のロックが破損しやすいということです。
EOS 55の裏蓋は、側面にあるこのノブをスライドして開けるのですが、なんとこの部分のプラスチックが折れて、裏蓋を閉めることができなくなってしまうのです。
裏蓋側のツメが折れたジャンクカメラはたまにみかけますが、ボディ側のツメが折れるというのはなかなかほかに例がありません。
対応としては部品自体を交換するしかないです。
わたしのこのEOS 55は、フジヤカメラのジャンクで30円で売っていた通電しないEOS 100からパーツを取り出して、不要部分を切り取って移植しています。
詳しくは検索すると方法が出てきます。
EOS 55のAF性能
さて。
このEOS 55のオートフォーカスは測距点が3点。
この時代のCanonがアピールしていた視線入力による測距点選択も搭載しています。
もちろんEOSということで動体予測もあるわけですが、実際のところ、オートフォーカス性能ってどんなもんなのでしょうか?
これまでにも話したことがあるのですが、わたしはじつは、フィルムカメラ時代に実家にあったカメラがPENTAXだったので、カメラの動体撮影性能に詳しくないのですよね。
基本的に、動くものを撮るときはオートフォーカスを信用せず、置きピンで撮るという癖がついていました。
でも驚くことに、EOSを使っている人は1990年代、へたをすると1980年代から動くものをAFで撮っていたんですよね。
じゃあ、実際のところEOSのAF性能はどんなもんなのか、このEOS 55で試してみることにしたのでした。
競馬場に行った
行ってきたのは競馬場です。
以前ちょっとだけウマ娘をやってから、競馬場行ってみたかったんですよね。
場所は埼玉にある浦和競馬場なのですが、ここを選んだのにも理由があります。
馬ということで望遠レンズが必要ですが、レンズはあまりよいものではなく、Tamronの28-300mmのズームレンズを使いました。
フィルムは動体ということで、高感度のISO400のFomapan 400を使用。
Parodinal 1:50 20℃ 11minで現像しました。
ということでまずは10月21日の3レースの写真から。
まずこれ3レースの返し馬の写真ですが、サヨノシルバーズという馬らしいです。
みてのとおり、ピントもばっちり写っていますね。
この大きいスクリーン、ウマ娘で見たやつだ!
となりました。
ということで3レースがスタートします。
ここからはスタート後のカットを間を飛ばさずに順番に流していくのですが、
1枚だけピントを外したものがあったほかは、こういうふうにちゃんとピントが来た写真が撮れてるんですよね。
フィルム時代のEOSのAF性能正直驚きました。
今度は一周回ってゴール前の直線。
こちらもしっかりとピントが合った写真が撮れています。
もちろんデジタルと違って画質に限界があるのでフィルムの画質ならピントが合っているだけ、ともいえるのですが、それにしても十分以上な結果ですよ、これは。
このレースで勝ったのは、5枠5番のリジンという馬らしいです[1]「3歳四 選抜馬ウ|2022年10月21日 | 競馬データベース – netkeiba.com」(2023年1月21日閲覧)https://db.netkeiba.com/race/202242102103/。
さて。
続いての第4レース、じつはこれが、この日浦和競馬場に来た目的だったんですよ。
生まれて初めて、このレースに出る馬のために馬券を買いました。
はい、これがその馬券。
フェイドハードという馬なのですが、この馬の血統を見るとこのように、なんとメジロマックイーンの直系なんですよね「フェイドハード | 競走馬データ – netkeiba.com」(2023年1月21日閲覧)https://db.netkeiba.com/horse/2017106274/。
ということで、単勝と複勝を500円ずつ、フェイドハードに投票したのでした。
フェイドハードはこんな馬なのですが、
ちょっとパドックは光線状態が悪く写真がつぶれてしまいました。
ではレースはというと、うーん、写真自体はちゃんとピントが来ているのですが……
応援している2枠2番のフェイドハードは馬群に埋もれてしまっていて、写真を撮ろうにも撮れなかったんですよね。
いま出している写真はゴール前。
結局一着は、7枠9番のブルベアマイルという馬だったみたいです[2]「C2九 十11|2022年10月21日 | 競馬データベース – netkeiba.com」(2023年1月21日閲覧)https://db.netkeiba.com/race/202242102104/。
いっぽう投票したフェイドハードは3番人気でしたが8着でした。
まあ、このゴール前のカットがすごくいい写真になったのでよかったのかなと思います。
このようにEOS 55のオートフォーカス性能、高速で走る馬の写真が全然問題なく撮れる、ということがわかったのでした。
あと下手にビギナーズラックで当たってギャンブルにハマらなくてよかったんじゃないですかね……。
ちなみに。
フェイドハードですが、この動画の台本を書いているときに調べたところ、2023年の1月11日に約11ヶ月ぶりに勝利したということです。
もう7歳ですが、競馬場でみたところ血統もあってこの馬にはけっこうファンがついているようなのでがんばってほしいですね。
まとめ
さて。
今回紹介したEOS 55というカメラ、シャッター羽根にべたつきがないものを選んで、グリップのべたつきを除去して、裏蓋のロックを修理すれば全然使えます。
少し手をかけるだけで、下手をすると100円くらいでまともな性能のフィルム時代のEOSが手に入ってしまうんですよね。
フィルムレールがプラスチックなのに外装が金属というアンバランスさはあんまりオタク的感性とは合わないですが、単にフィルムでピントと露出が適切な写真を撮るならこれ以上のものはないんじゃないかと思います。
最近地味に値上がりしているEOS 7やEOS 7sと性能面でそんなに変わらないし、重さも軽い。
AFのカメラもフラットに評価できる時代になったいまだからこそ、評価できる機種だなぁ、と思ったのでした。
ありがとうございました。
御部スクラでした。