中国製レンズ VOKING 25mm F1.7 Eマウント(APS-C用)レビュー

中国製レンズ VOKING 25mm F1.7 Eマウント(APS-C用)レビュー

みなさんこんにちは!

フィルムカメラVTuberの御部スクラです。

今回は、フィルムカメラではなく現代、新品のレンズについて解説します。

VOKING 25mm F1.7 SONY Eマウント用

VOKING 25mm F1.7 SONY Eマウント用

それがこのレンズ。
中国製のVOKING 25mm F1.7 SONY Eマウント用です。
APS-C専用です。

このレンズは、Amazonだとか、aliexpressとかでよく売っている、中国製マニュアルフォーカスレンズのひとつ。

中国製のMFレンズっていうと、本当にピンきりで、7ArtisansとかTTArtisansとか、本当に質のよいものもあるし、
NEEWERやYongnuoみたいな、値段の割にそれなりに定評あるブランドのものもありますけど、

今回わたしが買って使っているレンズは、そういうブランドとはまったく無縁の、ノーブランドというか、同じ製品に違う名前がついたものがたくさん存在するようなたぐいのものです。

購入価格はだいたい5000円。
APS-Cサイズ用のMFレンズで新品としては、だいたい最も安い価格帯のものになります。

※追記:2021年12月時点で、国内の販売サイトでは見当たらなくなっています。最後に似たスペックの廉価な中国製レンズを貼ります。

作例

ではまずは作例を見ていきましょう。

基本、開放で撮っているのですがまあ、普通に写りますよ。

VOKING 25mm F1.7 作例

拡大すると、これ、片ボケなんですかね? 周辺の写りが悪いというのはまあそうなのですが、5000円ということを考えたら、全然いいんじゃないでしょうか。

VOKING 25mm F1.7 作例

用途にも寄るとは思うんですけど、5000円のレンズの使いみちというと、古めの安いミラーレス機につけて、気軽に普段持ち出す用途が多いと思うので、全然マトモといえるんじゃないかと……。

VOKING 25mm F1.7 作例

VOKING 25mm F1.7 作例

VOKING 25mm F1.7 作例

近距離で背景をボケさせてみるとこんな感じです。

VOKING 25mm F1.7 作例

VOKING 25mm F1.7 作例

これは描写を語るような写真ではないですけど、ミラーレス機に古いレンズを付けるよりも便利に、こういう感じの写真が撮れるのは非常によいんじゃないかと思います。

VOKING 25mm F1.7 作例

ただ、描写について素人でもわかる欠点もあって、ひと目で見てわかるくらいタル型の歪曲収差があります。

VOKING 25mm F1.7 作例

こういう、格子状の写真を持ち出すまでもなく、わたしがTwitterに貼るために適当に撮った写真でさえタル型の収差が露骨にわかります。

VOKING 25mm F1.7 作例

まあ、このへんは値段なりですね。

機構面の特徴

さて、作例を見てきましたが、機構面とか特徴について。

このレンズ、じつは最大の問題があります。
それが、新品なのに最初からオーバーインフだということ。

オーバーインフ

みてのとおり、もともとピントリングが無限位置より先に回る設計になっていて、∞のマークも突き当たりよりも手前に印刷されています。
ようするに、鏡筒のほうで無限遠の精度を出すことを放棄することで、値段を安くした、ということですね。

オーバーインフ

非常に思い切った設計で、ミラーレスで拡大ピント合わせをすることが前提というわけです。

無限遠のとき
↑無限遠のとき

突き当たり位置のとき
↑ピントリングの突き当たり位置のとき

実際問題、無限遠で写真を撮るときにいちいちピント合わせをするのは不便です。
ただ、わたしがこれを使っているのは、他の条件とのトレードオフで、この不便さを補ってあまりある、と感じるからです。

メリットとデメリット

わたしはこのレンズを、知人から安価に譲ってもらった古いミラーレス、SONYのNEX-5Nにつけて使っているのですが、
APS-C機でお金を最低限しかかけないで、広角気味のレンズを使うというのは非常に難しいんですよね。
マウントアダプターで古いレンズを付けるにしても、35mmが換算52.5mm、28mmでも換算42mmでちょっと狭いです。

一眼レフ用のオールドレンズは出っ張ってかさばります。
でも、レンジファインダー用のレンズを買うくらいなら、ミラーレス用の普通のレンズが余裕で買えてしまいます。

それくらいお金を出そうよというのは本当にそうですが、わたしは、壊れても惜しくないくらいガンガン使えるカメラとレンズの組み合わせが欲しかったので……。

そこで、こういった中国製レンズの出番になるわけです。
もう少しお金を出せば、1万円くらいで7Artisansの25mm F1.8とか、8000円くらいで7Artisansと似ている他メーカーのものもありましたけど、まあ、こういうノーブランド品のほうが面白いし、安かったので。
全然使えているので結果オーライです。

ちなみにわたしのNEX-5N、電子接点部分が死んでいるのでMFレンズがほしかった、というのも理由のひとつではありました。
あっ、機材ですが、気合を入れて撮るときはフルサイズのα7をメインに使っています。

割り切って使うぶんにはいいのでは

というわけで結論としては、5000円ちょっとという値段で買えるレンズとしては十分実用的なんじゃないかな、と思います。
スマホのカメラよりもセンサーが大きいものを気軽に持ち運びたい、という需要には、全然応えてくれると思いますよ。

参考に、5000円くらいという、もっとも安い価格帯のレンズには他にNEEWERの32mm F1.6もあります。
そっちもわたしは使ったことがあったんですが、Amazonのレビューだと酷評もされてますけど、値段を考えたら、下手に大きなオールドレンズを付けるよりも便利かもしれないです。
ただ、そちらは換算48mmで少し狭かったので売ってしまいました。

不便な代わりにコンパクト、そして安い。画質はそこそこ。
そういうレンズも、悪くないのではと思います。

似たスペックのレンズ

2021年12月時点で、この動画で紹介した25mm F1.7というスペックのレンズは販売サイトに見当たらなくなっています。
ここでは似たスペック(25mm F1.8)のレンズをいくつか貼っておきます。