みなさんこんにちは。
フィルムカメラ系VTuberの御部スクラです。
今回は、壊れていて動かないカメラなので小ネタの動画なのですが、
富士フイルムのFUJICA DL-20というコンパクトカメラについて話します。
Contents
FUJICA DL-20
FUJICA DL-20 スペック
レンズ:FUJINON 38mm F4
シャッター:1/100秒、1/400秒(感度設定で可変)
巻き上げ:自動
露出計:ファインダー脇にCdS?受光素子(絞りのみ可変?)
カウンター:自動復元、順算式
フォーカシング:3点ゾーンフォーカス
電源:単3電池 x2
フィルム装填:ドロップインローディング
使用フィルム:35mmフィルム
発売年:1983年
製造元:富士写真フイルム
FUJICA DL-20について
富士フイルムの公式Webサイトにある『富士フイルムのあゆみ』によれば、
このDL-20は1982年のフォトキナで発表、海外では1983年1月、日本では3月に発売されたということです。
このDL-20はピントは手動なのですが、姉妹機種としてオートフォーカスのDL-100もあります。
「DIL機構の開発」『富士フイルムのあゆみ 50年のあゆみ』(2021年7月1日閲覧)
※原著は1984年、富士写真フイルム刊
https://www.fujifilm.co.jp/corporate/aboutus/history/ayumi/dai5-05.html
このカメラ、ハードオフのジャンク箱で見つけたもので、たぶん動かないだろうことはわかっていたんですけど、
つい買ってしまったんですよ。
その理由が、なんといっても独特のデザイン。
1980年代前半特有の直線基調で、でもプラスチックで新しいことをやろうとした感じのあるデザイン。
白いカラーリングも独特です。
色は最初、白とクリームのツートンカラーかと思っていたんですけど、画像検索したところ本当は真っ白いカメラだったようです。
黄色いところは、ファミコンの白いところみたいに黄ばんでしまったんですね。
色については白のほかに、黒と赤もあったようです。
※camera-wiki.orgのページに、黄ばんでいない状態と、黒と赤のボディの画像があります。
参考:「Fujica DL-20 – Camera-wiki.org」(2021年7月1日閲覧)
http://camera-wiki.org/wiki/Fujica_DL-20
ドロップインローディング
機能面で最大の特徴が、ドロップインローディングというもの。
ご覧のように、裏蓋の開閉ロックが底の部分にあって、フィルムも下から入れる形式になっています。
35mmのフィルムカメラでは、カメラを使うのが苦手な人でもうまくフィルムを入れられる方法というのがいろいろと模索されてきたわけですけど、このドロップインローディングも、そういう工夫のひとつだったわけです。
富士フイルムとしてもこの機能には自信があったようで、『富士フイルムのあゆみ』でも「DIL機構の開発」として項目を設けて解説されています。
このカメラでは壊れてしまっていて機能しないんですけど、フィルムを入れると1枚目まで自動で巻き上げられます。
ドロップインローディング自体はその後なくなってしまいますが、フィルムが1枚目まで巻き上げられるのは、その後35mmフィルムカメラの標準的な機能になりましたね。
独特のデザイン
そして、はじめにも触れましたがこのカメラ、本当にデザインがいいんです。
まさに80年代の工業デザインの良さがあります。
機能面でも工夫されていて、銀色の平らな部分を90度回転させると、それに連動してレンズカバーが開きます。
この銀色の部分は、レンズカバーが閉じているときはファインダーのキャップ代わりになっています。
また、ピント合わせは3点ゾーンフォーカスなのですが、レンズカバーの開閉に連動してフォーカスが中央に戻ります。
カメラの操作に詳しくない人がピントを合わせ忘れても、とりあえず固定焦点のカメラのように使えるようにしているわけです。
この機構、明らかにオリンパスXA2の影響を感じるところです。
カタログスペックはそこそこ
レンズはFUJINONの38mm。
カメラ本体に明るさは書かれていないのですが、camera-wiki.orgによれば、38mm F4ということです。
参考:「Fujica DL-20 – Camera-wiki.org」(2021年7月1日閲覧)
http://camera-wiki.org/wiki/Fujica_DL-20
またシャッターは感度設定によって切り替わり、ISO100のとき1/100秒、ISO400のとき1/400秒ということです。
明確に、暗いところではフラッシュを使う前提のカメラですね。
あと、ケーブルレリーズ用の穴がついているのが、妙に作りが真面目だと感じました。
壊れている
ということで、非常にデザインが魅力的なカメラなのでFUJICA DL-20について紹介してきたのですが、
残念ながら壊れているんですよね……。
どうも巻き上げの軸がおかしいらしく、巻き上げ軸が滑っていつまで経ってもシャッターチャージが完了しないんです。
分解したところ、モーター側も、巻き戻し軸に連動する部分も問題はなくて、巻き上げ軸自体に問題があるところまでは特定できたのですが、ちょっと修理は難しそうです。
一度、巻き上げ軸のネジを少し締め直したら動くようになったのですが、テストフィルムを入れたら同じ症状が再発してしまいました。
一応、手で巻き上げ軸を回してやると、こうやってチャージされてシャッターを切ることはできます。
関連書籍
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まとめ
というわけでFUJICA DL-20のお話でした。
1980年代の文化がここ数年どんどん見直されていますが、このカメラ、動きさえすればまさにそういう人気を集めそうなデザインですよね。
動かないので紹介だけになりますが、こういう1980年代ならではのカメラ、ぜひこれからも見つけていきたいです。
ありがとうございました。
御部スクラでした。