OLYMPUS L-10 オリンパスL一桁機とL二桁機を比較(iS-100 / iS-10)

OLYMPUS L-10 オリンパスL一桁機とL二桁機を比較(iS-100 / iS-10)

みなさんこんにちは!
フィルムカメラ系Vtuberの御部スクラです。

今回は、作例はない小ネタの動画なのですが、オリンパスのフィルムカメラ、L-10について話します。

OLYMPUS L-10

OLYMPUS L-10のスペック

OLYMPUS L-10

レンズ:OLYMPUS LENS AF ZOOM 28-110mm F4.5-5.6(9群11枚)
シャッター:2秒~1/2000秒(バルブなし)
巻き上げ:自動
露出計:2分割EPSと中央重点?(スポット測光可能)
カウンター:液晶表示
フォーカシング:AF、TTL位相差検出方式
電源:CR123A x2本
ファインダー:一眼レフレックスファインダー 0.72倍 視野率85%(50mm時)
フィルム装填:蝶番による裏蓋開閉、オートローディング
使用フィルム:35mmフィルム
発売年:1994年
発売時価格:68,000円
製造元:オリンパス光学工業

参考資料(2021年12月21日閲覧):
「L-10 PANORAMA:Lシリーズ:カメラ製品:オリンパス」
価格.comのスペック表(ただしL-10 Super)

OLYMPUS L-10について

OLYMPUS L-10

このチャンネルではオリンパスのL-1というブリッジカメラについて取り上げましたが、このL-10は、L-1にはじまるLシリーズのなかの一台で、エントリーグレードのカメラです。

オリンパス公式サイトによれば、発売は1994年の3月

その記述によると「一眼レフの楽しみを、コンパクトカメラのような簡単操作で味わうことができる小型のカメラ」ということで、実際に触ってもわかったのですが、操作はかなり簡略化されています。

参考文献:
「L-10 PANORAMA:Lシリーズ:カメラ製品:オリンパス」(2021年9月5日閲覧)
https://www.olympus.co.jp/technology/museum/camera/products/l-series/l-10-pano/

OLYMPUS L-10とL-1の違い

OLYMPUS L-10とL-1の違い

では主に、L-10がL-1のようなL一桁機とどんなところが違うのか、について見ていきましょう。

Lシリーズの機種一覧

まず、オリンパスLシリーズにどんな機種があるのか見てみましょう。
(括弧内は日本での発売年月)

L-1(1990年8月):35-135mmレンズ搭載
L-2(1992年6月):35-135mmレンズ、L-1の改良機
L-3(1992年9月):35-180mmレンズ、上位機種

L-10(1994年3月):28-110mmレンズ、小型軽量化
L-20(1997年7月):28-110mmレンズ
L-30(1999年3月):28-110mmレンズ
L-5(2002年3月):28-140mmレンズ、最終機

※この箇所の参考文献は最下部にまとめました。

このほかに、
CENTURION(1996年6月)という同系統の形状をしたAPS一眼レフカメラもあります。

L一桁機とL二桁機に大別

さて、こうして見ると、オリンパスLシリーズには、
35-135mmレンズを搭載し、大きく重いボディのL一桁機と、
28-110mmレンズを搭載し、小型軽量化されたL二桁機
があることがわかります。

最後に発売したL-5については、5と名乗っているもののL-10から続くずんぐりとした形状を踏襲しています。

L一桁機とL二桁機の構造の違い

オリンパスLシリーズのこの2つの系統には、じつははっきりとした構造の違いがあるんです。
それが、フィルムの巻き上げ方法です。

オリンパスL-1の動画で触れましたが、オリンパスL一桁機は、フィルムをカメラ本体側ではなく、裏蓋の側に巻き取っていく構造をしているんですね。

L一桁機はフィルムを裏蓋に巻き上げる

これは、カメラの左手側の出っ張りをなくし、ボディ形状をL型にするためです。
こうすることで、カメラに慣れていない人でも自然に、理想的なホールディングができるようになっています。

L-10以降は通常の巻き上げ方式

ですが、オリンパスL-10以降の機種ではこの機構を採用していません
あくまで想像ですが、構造が複雑すぎたのだと思います。

そのかわり、L-10ではフィルムの巻取り軸を、シャッターユニットの前にめり込むような配置とすることで、左手側の出っ張りを抑えています

フィルムの巻取り軸をシャッターユニットの前にめり込ませる構造

単に機械として考えればL-1の構造は興味深いですが、信頼性があるのはL-10だろうな、と感じるのは仕方ないところです。
1990年設計のバブリーなカメラであるL-1と、バブル崩壊後のカメラであるL-10の違いなのかもしれないですね。

バブルのカメラとバブル崩壊後のカメラ

小型軽量化

それから、カメラ全体がかなり小型軽量化されています。

レンズの沈胴量が増加

L-10では電源OFF時にレンズを沈胴させておく量がL-1に比べてかなり増えています。

電源OFF時の沈胴量増加

L-1はレンズ部分がかなり大きかったので、小型化には相当寄与しています。

ただこれにはデメリットもあって、電源を入れてから撮影できるまで3秒くらいかかるので、とっさの撮影は不可能です。

大幅な軽量化

それから、オリンパスL-1を触ったとき、見た目に比べて重すぎると感じたのですが、この通りかなり軽量化されています。

L-1:891.3g

L-1:891.3g

L-10:629.0g

L-10:629.0g

正直、L-1はレンズ固定式のカメラとしては重すぎると思うので、これはかなり重要な改良点ですね。

だいたい、こういったところがL一桁機のL-1と、L二桁機のL-10の目立った違いかと思います。

L-10の機能

いっぽう機能面については、オリンパスL-10はL一桁機に比べてかなり割り切って、ざっくり削られています。

オリンパスの米国法人のサイトにある英語版説明書を参考にしながら見ていきましょう。

参考文献:「OLYMPUS iS-10 INSTRUCTIONS」p.71-72 (OLYMPUS 米国法人Webサイトより取扱説明書pdf、2021年9月5日閲覧)
https://www.olympusamerica.com/files/oima_cckb/is_10.pdf

操作部品とモード

まず、カメラの上面を見るとわかるように、基本的にオートで使うことを前提としたカメラです。

ミノルタのPボタンのように、緑色のFULL AUTOボタンを押すことで、簡単にデフォルト設定に復帰できるようになっています。

緑色のFULL AUTOボタンとシーンモードボタン

その周りにあるのは風景、ポートレート、夜景、スポーツのシーンモードですね。

一方、一応絞り優先も可能なのですが、操作がかなり変わっていて、F.No.ボタンを押すことで絞り値が一方通行で変化するようになっています。

絞り値が一方通行で変化

たしかに、絞り値を手動で設定するならこれでも十分ですがかなりの割り切りを感じます。
ファインダー内で絞りを確認することはできないので、あくまでオマケの機能なのでしょう。

ファインダー内で絞りを確認することはできない

コンセプトと割り切り

そう、オリンパスL-1とL-10でカメラの立ち位置の違いを非常に感じるのがファインダーなんです。
オリンパスL-1は、レンズ固定式とはいえしっかりと露出が表示されて、上位機種としてのやる気を感じました。

オリンパスL-1のファインダー

いっぽう、L-10はAFの合焦とストロボ警告だけなんですよね。

ただ、オリンパス公式サイトに「コンパクトカメラのような簡単操作」とあったように、こういうところはカメラ自体のコンセプトとして非常に一貫性があります。
むしろ、オリンパスL-1のような一桁機のほうが、レンズ固定式のカメラなのに高機能すぎたのかもしれません。
高機能を求めるユーザーはレンズ交換式カメラを選ぶことが多かったはずなので、L-10の製品コンセプトのほうがブレがなくて好ましい、とさえ感じます。

レンズの広角側をそれまでの35mmから28mmにして望遠側を削ったのも、ファミリーユースでの需要を考えてのことなのでしょう。

OLYMPUS LENS AF ZOOM 28-110mm F4.5-5.6(9群11枚)

レンズ:OLYMPUS LENS AF ZOOM 28-110mm F4.5-5.6(9群11枚)

いっぽう、これはL-1にもありましたがスポット測光がついているあたりにはオリンパスらしさを感じます。

シャッター速度、ファインダー倍率

そのほかにカタログスペック的なところとしては、シャッターは低速側が2秒から、高速側は1/2000秒まで
L-1にあったバルブは省略されています。

ファインダーは0.72倍、視野率85%です(50mm時)。

AF速度はおそらく向上している

それから、これは自宅で空シャッターを切ったときの印象にすぎないのですが、おそらくL-1に比べてAFの性能はかなり上がっていると思います。
オリンパスL-1を撮影に持ち出したとき、AFが迷ってなかなかシャッターが切れないことが多かったのですが、L-10は夜に部屋の中でファインダーを覗いても、だいたい合焦してくれる印象があります。

このあたり、1990年と1994年の数年の差が大きかったんだろうな、と思います。

(1992年発売のL-2とL-3のAF性能がどんな感じだったのか気になります)

まとめ

ということで、オリンパスL-10について見てきました。

こうしてL-1と比較してみると、わたしの印象としてはL-1よりもコンセプトが明確で好ましいカメラだな、と感じました。
バブル期ならではの製品であるL-1とはまったく別の製品になっていますが、実際に持ち歩くなら小さくて軽いL-10のほうが便利だっただろうな、と思います。

関連記事

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機種一覧部分の参考文献

(それぞれ2021年9月5日閲覧)

「L-1:Lシリーズ:カメラ製品:オリンパス」
https://www.olympus.co.jp/technology/museum/camera/products/l-series/l-1/
「L-2:Lシリーズ:カメラ製品:オリンパス」
https://www.olympus.co.jp/technology/museum/camera/products/l-series/l-2/
「L-3:Lシリーズ:カメラ製品:オリンパス」
https://www.olympus.co.jp/technology/museum/camera/products/l-series/l-3/
「L-10 PANORAMA:Lシリーズ:カメラ製品:オリンパス」
https://www.olympus.co.jp/technology/museum/camera/products/l-series/l-10-pano/
「L-20:Lシリーズ:カメラ製品:オリンパス」
https://www.olympus.co.jp/technology/museum/camera/products/l-series/l-20/
「L-30:Lシリーズ:カメラ製品:オリンパス」
https://www.olympus.co.jp/technology/museum/camera/products/l-series/l-30/
「L-5:Lシリーズ:カメラ製品:オリンパス」
https://www.olympus.co.jp/technology/museum/camera/products/l-series/l-5/
「CENTURION(センチュリオン):APSカメラ:カメラ製品:オリンパス」
https://www.olympus.co.jp/technology/museum/camera/products/aps/centurion/