みなさんこんにちは。
フィルムカメラ系VTuberの御部スクラです。
小ネタです。
この前、テフノンというズームレンズを買いました。
TEFNON H/D-MC ZOOM 28-85mm F3.5-4.5という、小堀製作所というメーカーが作った標準ズームレンズです。
Contents
小堀製作所のTEFNON・KOBORONレンズ
小堀製作所は本社が大田区にある光学機器メーカーなのですが、自社ブランドのカメラ用交換レンズからはすでに撤退しているようです。
多くのメーカーにレンズをOEM供給していて、ebayなどを見ると、主に1980年代に製造されたさまざまなブランドのレンズが出品されています。
もともとはCanonとの関係が深かったとのことなのですが、買収の話を断ったのがきっかけで取引がなくなり、VivitarやSOLIGORに販路を開拓したことが、以前社長を務めていた小堀雄久(こぼりかつひさ)氏の書いた「私の履歴書」という文章に記されています。
自社ブランドはTEFNONとKOBORONという名前で販売されていたのですが、じつはわたし、以前TEFNONのレンズを使っていたことがあったんですよね。
2000年代中ごろまでメーカーの公式Webサイトで直売を受け付けていました。
※2chのテフノンスレのログによると2007年に終了?
電話で直接オーダーして28mm F2.8の単焦点を代引きで買った記憶があります。
いつの間にか直売はなくなってしまっていたのですが、とくに性能面で不足を感じることはなく、いいレンズだったと思っています。
ということでテフノンには思い入れがあったので、ジャンクで見つけるたびに気になっていたのでした。
関連リンク
小堀製作所 公式Webサイト
http://www.kobori-mfg.co.jp/
理事長 小堀雄久「私の履歴書」 | 公益財団法人 小掘雄久学生等支援会
http://www.koborizaidan.or.jp/chairman/message/
TEFNON H/D-MC ZOOM 28-85mm F3.5-4.5
さて、今回購入したレンズ、TEFNON H/D-MC ZOOM 28-85mm F3.5-4.5は見ての通り1980年代っぽさの強い直進ズームレンズです。
マウントはニコンFマウント、Ai-s用です。
最短撮影距離は約1.7メートルでまったく寄れないのですが、望遠側の85mmのときだけ、0.6メートルまで近接撮影ができるようになっています。
フィルター径は62mmです。
内部構造が格好いい
さて、ジャンクなのでカビが生えていて、分解して掃除したのですが、そうしたら構造に驚いたんですよ。
こんな感じです。
ピントリングを前後に動かしてズーム動作させて、一番後ろの群が動いているところの動画なんですが、レンズが中空に支持されているんですよね。
レンズ自体を外して、支持部材だけを動画に撮ってみるとこんな感じです。
レンズを支持する部品は2本の腕だけで支持されていて、それ以外の部分は中空になっているという。
ズームレンズの構造には詳しくないので全然珍しくないんだとは思うのですが、単純にメカニカルで格好いいので驚きました。
ただこの部分、ほとんど外気からむき出し同然です。
なのでその部分のレンズにはカビがびっしりと生えていました。
素人分解でカビを拭きましたが、コーティング自体は強いようで傷が入ったりはしませんでした。
この内部構造を見て、このレンズを動画で紹介したいと思ったんですよね。
小さいベアリングが多用されている
もうひとつ、分解して気がついたことがあります。
それが小さいベアリングが使われている箇所があるということです。
絞りリングの内側には、この部分にベアリングが入っているのがわかります。
いっぽうマウント部分の裏側にも、絞り連動レバーの部分にベアリングがびっしりと詰まっています。
これ、今回は運良くバラさなかったからよかったものの、もし気づかずにベアリングをぶちまけていたらと思うとぞっとします。
CanonのNew FDレンズにもこういうベアリングの使われ方がされていると聞いたことがありますが、TEFNONのレンズをバラすときにも注意が必要かもしれないですね。
TEFNON H/D-MC ZOOM 28-85mm F3.5-4.5で撮影した写真
さて、今回はデジタルでの撮影ですが、このレンズでちょっとだけ写真を撮ってみました。
ボディはSONYのα7無印です。
広角側遠景
まずは広角側の遠景です。
この写真は開放のF3.5です。
レンズの収差について詳しくないので、わからないことをしたり顔で話すことは避けるのですが、素人目に見ても周辺減光がすごいことはわかります。
ただちょっと、2013年のミラーレス機に取り付けているのが原因なのか、このレンズ特有の写りなのかについてはわかりません。
周辺部を見てみると、やっぱりちょっと写りが悪くなっているのはわかりますね。
↓F5.6だとこんな感じ。
↓F8だとこんな感じです。
望遠側 マクロ
望遠側でマクロ機能を使ってみると、開放ではこんな感じです。
露骨に枝をたくさん写り込ませているのでいじわるな気もするんですが、ボケがざわざわしてるといって差し支えない……のでしょうね。
↓F5.6です。
↓F8です。
50mm付近
50mm前後のときです。
まずは開放。
撮影距離は2mくらいだったと思います。
↓F5.6です。
↓F8です。
この写真ですが、ボケがどうとか解像力がどうというよりも、開放のときに周辺の明るさが落ちすぎていることのほうが違和感を感じました。
広角で2mくらい
広角で、だいたい2mくらいの距離から。
左側の看板の支柱がわかりやすく糸巻き型になっています。
↓開放です。
↓F5.6です。
↓F8です。
周辺部を見比べてみると……
上の写真の画面端にある看板の文字を見ていくのですが、こうして比べると露骨に差がわかりますね。
↓開放
↓F5.6
↓F8
逆光(広角端)
↓開放
↓F5.6
↓F8
今回使用したマウントアダプター
Nikon Fマウント用レンズをミラーレス機で使用する際は、K&F Concept製品のマウントアダプターを使用しています。
(これ、かなり値上がりしましたね……)
Auto Amazon Links: プロダクトが見つかりません。
まとめ
性能がいいか悪いかでいうと、けっして良くはないのでしょう。
でも、当時このレンズを使って撮った写真の多くはL判へのプリントで鑑賞されたと思うので、こうやって液晶画面で見るほどには気にならなかったであろうことは確かなんですよね。
しかも、ニコンのZとかで試すならまだしも、ボディは無印のα7ですし。
実用として考えるならばまったくもって不足はない性能だったというのは、このレンズに対して肩入れしすぎな感想でしょうか?
マニアの視点で見ればもちろん物足りない部分はあるのでしょうが、当時買ったユーザーが後悔するような製品ではけっしてなかったと思います。
あと、品質はふつうに良いです。
華やかな部分はないですが鏡筒の作りはしっかりとしています。
見た目が格好いい内部の部材も、しっかりと全部金属で作られているんですよね。
カビは生えていましたが、レンズの硝材自体が曇っているようなことがなかったのも後の時代の人間としてはありがたいところです。
レンズの写りをどうこう言えるほどの知識はないですが、TEFNONとかMITAKONとかOZUNONとかのレンズメーカーになんとなく興味を持っているので、これからも取り上げていきたいと思っています。
ありがとうございました。
御部スクラでした。