Nikomat EL(ニコマートEL)・Nikon FE(ニコンFE) ニコンの絞り優先AE一眼レフ

ニコマートEL・ニコンFE

こんにちは!

フィルムカメラ系VTuberの御部スクラです!

今回は、ニコンの2つのフィルムカメラについてお話します。
ニコマートELとニコンFEです。

どうしてこの2つを初めての動画のテーマに選んだかというと、フィルムの一眼レフカメラのなかでも、使い方や機能が、とても一般的なものだからです。
良い意味で普通、というか。

では、それぞれどういうカメラなのか紹介していきたいと思います。

ニコマートEL

ニコマートEL

ニコマートELは1972年に発売したカメラです。
特徴は、ニコンのフィルム一眼レフカメラではじめて、絞り優先オートを内蔵したということ。
もちろんマニュアル露出も可能です。

(絞り優先オート、デジタル一眼レフやミラーレス一眼カメラのAモードのことです)

「ニコマート」というのは、ニコン(当時の日本光学)が1970年代中盤まで、普及機種のカメラに使っていたブランド名です。いまでいうと、ニコンD6やZ7のような上位機種だけが「ニコン」を名乗っていて、そのほかの機種は別の名前だった、というわけです。

ニコマートEL

ニコンの一眼レフカメラというと、レンズマウント(ニコンFマウント)の形が一緒でも、露出計の連動などの機能に互換性がなかったりするのですが、このニコマートELは、カニ爪がついているレンズなら問題なく使用できます。

レンズを取り付けたときに、左右に1往復させる「ガチャガチャ」と呼ばれることをすることで、露出計が使えるようになります。

ニコマートEL

ニコマートELの面白い点として、電池ボックスがマウントの中にあるということがあります。
開発に苦労したんでしょうね。

ニコマートEL

改良機種として、ワインダーという「電動でフィルムを巻き上げる装置」が使えるようになったニコマートELW、Ai方式という新しい種類のレンズに対応したニコンEL2もあります。

機械式のニコマートFT系もある

ニコマートEL系に先んじて、機械式シャッターのニコマートFT系というものもありました。

Nikomat FTN 解説・使い方(Nikkormat FTN)

ニコンFE

ニコンFE

ニコンFEは1978年に登場した、ニコマートELのシリーズの後継機種です。

機能はほぼ同じ。絞り優先オートとマニュアル露出が使えて、シャッターの最高速度も1/1000秒で同じです。

大きな改良点が、小さく、軽くなったということ。
ボディの重さを比べてみるとこんな感じです。

もうひとつ、(これはニコマートEL2の時点でそうなのですが)Ai方式というのを採用しているのも特徴です。
Ai方式というのは、ひとことでいえば、ニコマートELのところで紹介したガチャガチャをやらなくてもいいという方式です。

ニコンFE

そのかわり「Aiレンズ」というのより新しいレンズでないとフル機能が使えなくなりました。
Aiレンズというのは、このカニ爪に穴が空いているのが目印です。

ニコンFE

それより古いレンズ「非Aiレンズ」も装着はできるようになっているのですが、その場合絞り込み測光という不便な方式しか使えなくなります。

ちなみにニコンFEの電池を入れる場所は、カメラの下側の普通の場所です。

ニコンFEは、その後、シャッター最高速度が1/4000秒になったニコンFE2、そしてニコン最後の新規開発マニュアルフォーカス一眼レフのFM3Aに発展していきます。

比較

というわけで、絞り優先という機能面ではほとんど同じ2機種を紹介したのですが、たとえば初心者の方がこれから買うのにどちらがいいの? という比較をしていきたいと思います。

使い勝手はほとんど一緒です。
絞り優先AEもそうだし、シャッターダイヤルなどの操作部品もそうです。

露出計の受光素子(光を感じるセンサー)が、ニコマートELのCdS(硫化カドミウムセル)よりニコンFEのSPD(シリコンフォトダイオード)のほうが反応がよいので便利、というのはあると思いますが、実際のところそこまで違うか、というと、いまフィルムカメラを使う場合そこまでシビアさは要求されないので変わらない気もします。

いちばん大きな違いはやっぱり重さで、ニコンFEのほうが軽くて楽です。

ただ、ニコンFEは軽くて小さい代わりにコストダウンされてるんですよね。
プラスチックの部品が増えていて、シャッターダイヤルなどの質感は、時代の古いニコマートELのほうが上です。
フィルムを巻き上げる感触も、ニコマートELはしっとりしてていい感じなんですが、ニコンFEはちょっと頼りないかなぁ、という感じがあります。

軽さを選ぶか、質感を選ぶか。
そういうところを基準に、実際に触ってみて選ぶといいと思います。

ニコンFE

最後に

今回、カメラ紹介のはじめての動画ということで、すごくオーソドックスな、定番機種を紹介したのですが、今後はマニアックな機種も紹介していきたいと思うので、ぜひ今後とも御部スクラのYouTubeチャンネル、よろしくお願いいたします。