MINOLTA Vectis S-1(ミノルタ ベクティスS-1) APSフィルム一眼レフを紹介する動画

ベクティスS-1

みなさんこんにちは!

フィルムカメラ系Vtuberの御部スクラです。

今回はAPSフィルムを使う一眼レフカメラの、
ミノルタ Vectis S-1について話します。

MINOLTA Vectis S-1 外観とスペック

MINOLTA Vectis S-1

MINOLTA Vectis S-1

MINOLTA Vectis S-1

MINOLTA Vectis S-1

※動画撮影後、上記の写真を撮影するまでの間にグリップが崩壊してしまいました。

レンズマウント:MINOLTA Vマウント
シャッター:縦走り メタルフォーカルプレーンシャッター B、30秒~1/2000秒、シンクロ速度1/125秒
巻き上げ:自動、1コマ/秒
露出計:14分割ハニカムパターン測光(SPC受光素子による)
カウンター:液晶表示
フォーカシング:CCDラインセンサによるTTL位相差検出方式
電源:CR2 x2個
使用フィルム:IX240(APSフィルム)
発売年:1996年
発売時価格:-
製造元:ミノルタ

スペック参考資料(2021年12月21日閲覧):
ケンコー・トキナー公式WebサイトよりVectis S-1取扱説明書
1990年代に発売された主な機種一覧 | コニカミノルタ製品アフターサービス – 株式会社ケンコー・トキナー

APSフィルムとは?

APSフィルムというのはこのようなカートリッジに入ったフィルムで、1996年4月*1に登場しました。

APSフィルム

*1 富士フイルム研究報告書 No.48(2003年)より『新コンセプトのAPSカメラ「nexia Q1」の開発』
https://asset.fujifilm.com/www/jp/files/2019-09/b4bd371197bec8774cd3c0cde7ef98c6/rd_report_ff_rd048_003.pdf

APSフィルムはそれまで主流だった35mmフィルムを置き換えようとした意欲的な規格だったのですが、カメラ自体がフィルムカメラからデジタルカメラに移り変わってしまったために、消えた規格のひとつとなってしまったのでした。
APSのフィルム製品は2011年に製造が終了しています。*2

*2 デジカメWatch「富士フイルム、APSフィルムの販売を終了」(2011年7月6日)
https://dc.watch.impress.co.jp/docs/news/534478.html
WikipediaによればKODAKも2011年中に製造終了

MINOLTA Vectis S-1

MINOLTA Vectis S-1

APSのレンズ交換式一眼レフは、ニコン、キヤノン、ミノルタから発売されました。

なかでもミノルタのVectis S-1は、新しいレンズマウントのVマウントを開発して送り出した、本格的なシステムカメラです。

ミノルタ Vマウント

望遠側はレフレックス400mm F8、広角側は17mm F3.5まで(17mmは厳密にはAPSフィルムのベクティス用ではなくデジタル一眼レフのミノルタRD3000用なのですが)、マクロを含めひととおりのレンズが揃っていました。

参考:サークル 先進写真機構 『(PDF版)APSフィルム一眼レフのすべて ~今、APSで撮る~』 2017年(コミックマーケット92)
https://aps.booth.pm/items/839628

といいながら、今回実際に撮影をしたのは一番安い標準ズームのMINOLTA V LENS 28-56mm F4-5.6なのですが……

MINOLTA V LENS 28-56mm F4-5.6

MINOLTA V LENS 28-56mm F4-5.6

実際に撮ってみた作例を見ていきましょう。

作例

はい。
使用したフィルムは2003年期限の富士フイルム NEXIA400だったのですが、さすがに期限が切れてから時間が経ちすぎていろいろと辛いところがありますね……。

Vectis S-1作例

Vectis S-1作例

Vectis S-1作例

Vectis S-1作例

Vectis S-1作例

今回、感度はEI50に設定して撮影したのですが、感度についてはまあこれで大丈夫だったのですが、色がかなり転んでいて、デュープして反転しただけでは相当真っ青になってしまっていました。

Vectis S-1作例

正直、2020年に新しくAPSフィルムで撮影したというだけでも貴重な経験なんだろうな、というか……。

いろいろなフィルムを扱っているお店、横浜のカメラのスズキさんのツイートを見ても、2018年くらいまではAPSを扱っていたみたいですが、この動画をUPしている2020年には、もうAPSについての言及は(たぶん)ないんですよね。

このような、画像が出ているだけで満足みたいな感じの作例でもわかることはあって、
さすが1990年代のレンズだけあって、逆光耐性はそれなりにあります。

Vectis S-1作例

このように太陽光が入っているカットでもかなり優秀な写りをしています。

APSフィルムについてですが、2020年時点では、2003年期限のフィルムはEI50くらい、つまり3段オーバーくらいの露出でちょうどいいと思いました。
今回2本撮影したのですが、1本目はEI200で撮影したらアンダーでどうにもなりませんでした。

Vectis S-1作例
↑EI200でいちばんマシだったカット

動画にはなかった内容補足

APSの期限切れフィルムを入手するのは難しいと思っていたため、今回は2003年期限の古いフィルムを使ったのですが、Twitterでご指摘いただいたところによれば2014年期限くらいまでは入手可能なようです。

今回まったく性能を引き出せていないので、また機会があれば再撮影したいと思います。

操作感について

実際に使ってみての感想としては、APSフィルムの最大のメリット、つまり装填が楽ということがどれだけ大事だったのかが理解できました。

装填が楽

この動画の直前に、コダックのレチナIIcの動画でカメラの使い方に触れたんですけど、一番解説が難しいのって「フィルムの入れ方」なんですよね。
つまりそれくらい、初心者にとってフィルムの入れ方というのは難しい。
露出とかピントについては、最悪の場合写ルンですみたいな固定にしてしまっても、それなりに写らないわけではないですが、フィルムを入れるのに失敗したらそもそも写らないんですよね。

全体のつくりは中級機

そのほかにこのVectis S-1特有のメカについての感想としては……

ファインダー

ファインダーはリレー光学系とポロプリズムを使っているということですが、少しアイポイントがずれると見えなくなるのは不便なところでした。

あと、Vectis S-1の露出計はそこまで頭がいいわけではないですね。
基本的にプログラムAEで撮影したのですが、今回撮影したような空が広く入る場所だと盛大にアンダーになるので、手動で露出補正しました。

露出補正自体は背面のボタンを押しながらダイヤルを回すだけなのでしやすかったです。
ダイヤルは大きくて回しやすいです。

ダイヤルは大きくて回しやすい

ただ、基本的に操作はファインダーを覗きながらではなく、背面の液晶を見ながら両手で行うことが前提の構造なので、素早い設定変更は難しいと思いました。

背面を見ながら操作

それから、ストロボはこうやってポップアップします。

ストロボ

APSフィルムの入れやすさというのとあいまって、あくまでも徹底的に、簡単に一眼レフが使えることを追求したカメラだと思います。
そういう言い方をするとカメラ愛好家的にはマイナスの目線に感じられてしまうかもしれないですが、けっしてそうではなく、実用のカメラとしてはそのほうがすぐれていることも多かった、ということはとても重要なのではと思います。

まとめ

というわけで今回、ベクティスS-1で撮影してみました。
じつはわたし、今回が生まれてはじめてのAPSフィルムでの撮影だったかもしれません。

これ、身も蓋もない話ですが、APSフィルムって画面サイズが35mmより小さくて画質が悪いので、フィルムが現役の当時から、わかっている人は使わないフィルムだったんですよね……。
まさか2020年にAPSフィルムを使うとは思わなかったのですが、とても貴重な経験をしました。

詳しいことはネット上にさまざまな文章があるので、ベクティスS-1が動いているところを動画に残す、という意味で作った動画だったのですが、今後も動画だからこそできることをコンテンツにしていきたいと思います。
御部スクラでした。
ありがとうございました。

関連書籍

ヤフオクの出品画像によるとアサヒカメラ1996年8月号のニューフェース診断室で取り上げられているようです。

ムック『ニューフェース診断室 ミノルタの奇跡』には記載がないようです。