100円で買ったカメラ MINOLTA α-Sweet解説と作例(Maxxum 5 / Dynax 5)

100円で買ったカメラ MINOLTA α Sweet解説と作例(Maxxum 5 / Dynax 5)

みなさんこんにちは!

フィルムカメラ系Vtuberの御部スクラです。

今回は、ミノルタのフィルム一眼レフカメラ。
α-Sweetについて話します。

■記事修正履歴

「α Sweet」を「α-Sweet」に修正しました(2021年6月6日)

ミノルタ α-Sweet

ミノルタ α-Sweetの外観とスペック

ミノルタ α-Sweet

ミノルタ α-Sweet

ミノルタ α-Sweet

ミノルタ α-Sweet

レンズマウント:ミノルタAマウント
シャッター:縦走りフォーカルプレーンシャッター B、30秒~1/4000秒、シンクロ速度1/125秒
巻き上げ:自動、連続撮影は2コマ/秒
露出計:TTL開放多分割測光、スポット測光 14分割ハニカムパターンSPC
カウンター:液晶表示
フォーカシング:CCDラインセンサによるTTL位相差検出方式
電源:CR2 x2個
使用フィルム:35mmフィルム
発売年:1998年
発売時価格:-
製造元:ミノルタ

参考資料(2021年12月22日閲覧):
ケンコー・トキナー公式Webサイトより、ミノルタα-Sweet取扱説明書(pdf)

ミノルタ α-Sweetについて

ミノルタ α-Sweet

発売は1998年の4月。
フィルムの一眼レフカメラというものが、機能的にほぼ完成の域に達していた時期の製品です。

参考:ケンコー・トキナー公式Webサイト 「ミノルタの歩み 1998」(2021年4月26日閲覧)

日本ではα-Sweetという、マーケティング要素の高いネーミングがなされたことからも、それまでカメラを買い求めていた層以外に訴求力を高めたかったということがよくわかります。
とはいっても、CanonのEOS Kissが大成功したことに追随した製品名であることは誰の目から見ても明らかなのですけどね。

New EOS Kiss

さて、今回動画に煽り気味のタイトルをつけてしまいましたが、このミノルタα-Sweetの購入価格は、なんと100円なんです。

100円で買った

もちろん100円で売られていただけの理由はあるのですが、写真を撮るのに使ってみたら、問題なく撮影できてしまいました。

まずは、モノクロしかないですが撮影した写真を見ていきましょう。

ミノルタ α-Sweetで撮った写真

※使用フィルム:ADOX Silvermax 100 / Parodinal 1:50 12min

今回撮影した写真です。

レンズは純正ではなく、SIGMAの28-80mmという廉価なズームレンズなのですが、当時、こういった組み合わせで購入した人は多かったと思うので、ある意味リアリティのある組み合わせだと思います。

ミノルタ α-Sweet 作例

ミノルタ α-Sweet 作例

さて、今回100円のジャンクとして買ったミノルタα-Sweetなのですが、このように、問題なく写っています。
ボディの動作については一切問題ありませんでした。

ご覧のように雨の日で露出が厳しかったのですが、プログラムラインが、絞りに余裕があるのにシャッター速度を1/90秒まで下げてきたので、余裕を持って絞り優先に切り替えて、開放固定で撮影しましたが、そういった操作も問題なく行うことができました。

ミノルタ α-Sweet 作例

それで、この動画自体はカメラのボディについて語ることが主なのですが、この写真の写りというのは、ようするにシグマのレンズの写りなわけです。
これが、すごく写るんですよ。

ミノルタ α-Sweet 作例

ミノルタ α-Sweet 作例

シグマの28-80mmのズームレンズというと、下手をすると光学系がきれいでも、普通に100円でジャンクとして売られていることもあります。
いわゆるクラシックカメラのマニアからは無視されがちだったレンズです。

ミノルタ α-Sweet 作例

ミノルタ α-Sweet 作例

でも、開放でこれだけ写るという事実。
1990年代のレンズメーカー製レンズ、本当にレベルが高かったんだな、ということを目の当たりにしたのでした。

ミノルタ α-Sweet 作例

ミノルタ α-Sweetの特徴

さて、それではこのミノルタα-Sweetというカメラについて見ていきます。

最初に話したように1998年の4月の発売。
ネーミングからわかるように、CanonのEOS Kissを多分に意識してつくられた製品です。

ただ、この時代のエントリーグレードの一眼レフだけあって性能に妥協はありません。

当然のように、プログラム、絞り優先、シャッター速度優先、マニュアルのフルモードを搭載。

フルモードを搭載

シャッタースピードは、普通に1/4000まで切ることができます。

1/4000

ストロボも当然内蔵されています。

ストロボ

日本ではα-Sweetというエントリー機種然とした名前がつけられましたが、海外ではMaxxum 5やDynax 5という中級機のネーミングで販売されました。

参考:Camera-wiki.org 「Minolta Dynax 5」(2021年4月26日閲覧)
http://camera-wiki.org/wiki/Minolta_Dynax_5

シーンモード

シーンモード

そのほかにも機能が山盛りです。
ボディ上面の撮影シーン選択ボタンを押すと、

  • ポートレート
  • 記念写真・風景
  • クローズアップ
  • スポーツ
  • 夜景ポートレート・夜景

の5つのシーンに合わせた設定を自動で行ってくれます。

ただ、これについてはちょっとどうなのと思うところもあって、今回動画を作るのに説明書を見たのでこういう機能があることがわかりましたけど、当時、どれだけの人がこの機能を使っていたんでしょうかね……。
というのが、たとえばCanonやPENTAXのシーンモードは、モードダイヤルと同軸にシーンのアイコンが印刷されているので、設定方法がわかりやすいんですよ。

他社は同軸ダイヤルで設定

でも、このミノルタα-Sweetでは右手側のシーンボタンを押して切り替えるという操作で、いまひとつ、他の操作との関連性が見えづらいんです。

本機はボタンで切り替え

どんな製品でも説明書って案外読まれないと思うので、たぶん、当時買った人からしたらよくわからない怖いボタンに感じられてしまったんじゃないかな、と思います。

あと、プログラムや絞り優先といった撮影モードは、左肩のFUNCTIONボタンを押しながらコマンドダイヤルを回して切り替えるのですが、
いっぽうでシーンの切り替えは、単にボタンを押すだけなんです。
わたしも最初、シーンボタンを押しながらダイヤルを回して切り替えようとして、切り替わらないので戸惑いました。
このあたりも、ちょっと一貫性がないと感じました。

ストロボの自動発光

あと地味に不便なのが、デフォルトではストロボが自動発光だということです。
ボディ上面のPボタンを押すとデフォルト設定に戻るのですが、そのままだと暗い場所でストロボが自動ポップアップしてしまいます。

ストロボをオフにするには、マウント脇のストロボマークのボタンを押しながら、コマンドダイヤルを回して切り替える必要があります。

ということで、このあたり、ちょっと操作性の詰めが甘い感じがありますね。

全体的にはかなりつくりのよいカメラ

と、ちょっと下げるようなことを言ってしまいましたが、これはわたしの感覚がマニア視点だからで、プログラムモード固定で普段遣いするには非常によいカメラです。
性能的にも機能が盛りだくさんなので、凝った撮影をする場合も不足を感じることはないでしょう。

カメラ内部のフィルムレールこそプラスチックですが、

フィルムレールこそプラスチックですが

レンズマウントは金属製で、このあたりも真面目なつくりです。

レンズマウントは金属製

個人的にミノルタα-Sweetのデザインで好きな点が、右手側のグリップの形状なんです。
CanonやNikonの同時期の一眼レフの丸みを帯びた形状に比べて、α-Sweetのグリップは少し角ばっています。
この微妙に出っ張った感じが、持っていてとても気持ちがいいんですよね。

ちなみに、α-Sweetの説明書は、ミノルタのサポートを受け継いだケンコー・トキナーの公式Webサイトで公開されています。
今回は説明を省きますが、アイスタート機能や、オートブラケット、多重露光、ハイスピードシンクロ、スローシンクロ、専用ストロボとのワイヤレス同調などさまざまな機能が解説されています。
というか、この動画を作るためにα-Sweetについて調べて、こんなにも多彩な機能があることに心の底から驚いています。

参考:ケンコー・トキナー公式Webサイトより「フィルムカメラ製品使用説明書 一眼レフカメラ(αシリーズ)」
https://www.kenko-tokina.co.jp/konicaminolta/support/manual/slr/alpha.html

このカメラを100円で買えた理由と、α-Sweet特有の不具合

さて、このミノルタα-Sweetの購入価格は100円だったのですが、その最大の理由が、シャッター羽根に微妙に凹みがあったためでした。
カメラの心臓部なので、これは仕方がないことです。

ただ、シャッターがきれいなα-Sweetも300円や500円の値段が付けられていたので、だいたいの相場はそれくらいのものです。
フジヤカメラのジャンク館で買ったので、間違いのない相場だといえます。

どうしてそこまでジャンクが安いのかというと、α-Sweetには持病があるからです。
それが、ファインダーの変色です。

ファインダーの変色

このように、ファインダーの中が経年変化で黄色く着色していってしまうのです。
これは確実に発生する症状で、このα-Sweetはそこまで進行していないのですが、どんどん悪化していきます。

又聞きですが、どうやらファインダーのペンタミラーの接着剤が原因らしく、同様にペンタミラーが使われている、α-Sweet Sやα-Sweet II、360siといった機種にも発生します。

まあ、撮影した写真には影響しないので、気にしなければ使えるのですが、中古の値段が下がってしまうのは仕方がないところです。

このあたりが、同じ時期のCanonやNikonの一眼レフに比べてミノルタが不人気な理由なのかもしれません。

100円で買ったカメラ、撮影にいくらかかるの?

ちなみに、この動画を見た初心者の方のために、100円のカメラで写真を撮るのにほかにいくらかかるのか簡単に話します。

まずレンズは、これは確か以前100円で買いましたが、だいたい500円も出せばよいものがみつかるでしょう。
ストラップも、300円くらいでいけるでしょう。

そして、カメラを動かす電池。
CR2リチウム電池というものを2本使いますが、ヨドバシだと721円。
ちなみにAmazonだともっと安いです。

で、フィルム。
わたしはマニアなので安いものを探して買っていますが、初心者の方がどこでも買えるものとしては、フジカラー100の24枚撮りがヨドバシで723円。
フィルムについては、動画投稿日時点ではだいたいそれくらいが相場ですね。

そして現像料金。
ヨドバシのサイトが分かりづらいのでビックカメラの例なのですが、
現像+データ化してスマホに転送が1,100円です。
参考:ビックカメラ公式Webサイト 「データ転送サービス」(2021年4月26日閲覧)
https://www.biccamera.co.jp/service/store/photo/tensou/index.html

というわけでこれらを合計すると、3,444円です。

といっても。
フィルム2本目以降は、フィルム代と現像代しかかからないので、フィルム1本あたりだいたい1,900円くらい、ということですね。

写ルンですがだいたい1,300円くらいなので現像代と併せて2,400円と考えると、もしフィルムカメラをたくさん楽しみたいなら、こういう安いフィルムカメラを買ってしまうの、全然ありだと思います。

まあ、動くものを目利きして探すのが難しいんですけどね……。

関連書籍

朝日新聞出版公式Webサイトに掲載の目次によればα-Sweetも収録されています。

最後に

というわけでミノルタα-Sweetについて話してきました。

じつはこのカメラ、最初は動画にするつもりはなかったんです。
ニコンUの動画を作ろうと思っていて、どうせならちゃんと比較しようと思ってジャンクを買ったら動いてしまったので、せっかくなら撮影したという流れでした。

この動画では少し酷評したところもありましたが、ストロボさえオフにしてしまえばかなり使い心地がよくて、少し思い入れが生まれてしまいました。
1990年代後半のオートフォーカス一眼レフ、本当にプロダクトとしてのレベルが高くて面白いです。

オートフォーカス一眼レフ、これからもどんどん触っていきたいです。

ありがとうございました。
御部スクラでした。