みなさんこんにちは。
フィルムカメラ系VTuberの御部スクラです。
今回はニコンのフィルム一眼レフカメラ。
ニコンUについて話します。
Contents
Nikon U 外観とスペック
レンズマウント:Nikon Fマウント
シャッター:縦走りフォーカルプレーンシャッター T、30秒~1/2000秒、シンクロ速度1/90秒
巻き上げ:自動、2.5コマ毎秒
露出計:3D-6分割マルチパターン測光(GおよびDレンズ装着時)ほか
カウンター:液晶表示
フォーカシング:TTL位相差検出方式 フォーカスポイントは5箇所
電源:CR2 x2個(MB-17装着時、単3×4も可能)
使用フィルム:35mmフィルム
発売年:2001年
発売時価格:61,000円(ボディ)
製造元:ニコン
参考資料:「U:主な仕様 – フィルム一眼レフカメラ | ニコンイメージング」(2021年12月22日閲覧)
ニコンUについて
このニコンUは2001年の3月発売です。
2001年3月の出来事をWikipediaで調べたところ、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンが開園(3月31日)。
BUMP OF CHICKENの『天体観測』が発売(3月14日)。
直後の4月1日にさくら銀行と住友銀行が合併して三井住友銀行が誕生したのもこの頃らしいです。
※発売日について出典:ニコンイメージング公式Webサイトより
「オートフォーカス一眼レフカメラ「ニコン U」ご愛用のお客様へ」(2021年4月29日閲覧)
上記ページに「2001年3月24日から販売を開始したオートフォーカス一眼レフカメラ「ニコンU」」という記述があります。
もう21世紀に入ってからのカメラ、ということになりますね。
ということで、フィルムカメラですが見た目も操作もデジタル一眼レフと非常に似通っています。
というより、デジタル一眼レフがこういうオートフォーカスのフィルム一眼レフをモデルにしたんですけどね。
このニコンUというカメラ、それまでのニコンの一眼レフのFなになにというネーミングをやめたエントリー機種なのですが、CanonのEOS Kiss、そしてこのチャンネルでも紹介したミノルタα Sweetと同じ狙いが感じられます。
ただニコンというメーカーのイメージ通り、つくりはとても真面目で、触っているととても安心感があります。
ニコンのカメラという先入観も多分にあるとは思うんですけどね。
ちなみに海外ではNikon F65やN65という名前で販売されたらしく、この機種のだいたいの立ち位置というのがよくわかります。
参考:camera-wiki.org 「Nikon F65(N65)」
http://camera-wiki.org/wiki/Nikon_F65_(N65)
ニコンUの作例
というわけで、撮影した写真を見ていきましょう。
フィルムはコダックのColorPlus 200です。
Auto Amazon Links: プロダクトが見つかりません。
レンズは、本当はこのニコンUと時代が近いのは28-80mmのズームなのですが、今回は家にあった35-80mmを使いました。
はい。
けっこうピーカンの条件でフィルムもISO200だったんですけど、絞り優先で可能な限り開き気味で撮影してみたんですよ。
せっかく、使ったことないレンズで撮ったので。
そうしたら、思いのほか、昔のフィルム時代っぽい絵面の写真になってしまって驚きました。
けっして、ニッコールの35-80mmが悪いレンズというわけではないと思います。
でも、コダックの安いカラーネガの粒状感と、90年代のズームレンズという条件があわさったことで、見事に1990年代の、実家にあったような一眼レフで撮ったような写真ができてしまったというわけです。
この落差、現像が上がってきてデータとして取り込んだとき本当に驚きました。
このニコンUというカメラ、ファインダーを覗いて撮っているとき、感覚がデジタル一眼レフそのものなんですよ。
ペンタミラーのエントリー機特有のファインダーの感じとか、D3000番台の機種とそこまで感じは変わらないです。
なのに、上がってきた写真を見たら、色の感じとか粒子の感じがフィルムそのもの、だっていう。
こうきたかー、という驚きがありました、本当に。
ちなみに今回、全部のカットではないですが日付を写し込んでいます。
その理由はあとで話します。
機構的なところ
というわけで撮った写真を見てきましたが、そのなかでも話したように、操作している感覚は、もっと後の時代のデジタル一眼レフそのものです。
順番としては逆なんですけどね。
ニコンのデジタル一眼レフを使っていた方なら伝わると思うのですが、操作も同じです。
シャッターボタンの周りのスイッチで電源を入れて、
左肩のダイヤルでモードを設定する。
エントリー機なのでコマンドダイヤルは後ろ側だけです。
電池はCR2リチウム電池が2つ。
ミノルタのα Sweetと同じなのですが、あちらはコインで蓋を回さないといけませんでしたが、こちらは蓋のバネロックを爪で動かして開ける構造です。
わたしはこっちのほうが好みですね。
あと、電池蓋のヒンジが、(CanonのEOSのように)軟質プラを薄くしたものではなくてちゃんと軸を設けた構造になっているのが偉いです。
外装も内部のフィルムレールもプラ製ですが、マウントは金属製です。
あと、シャッター速度は1/2000秒までです。
エントリー機とはいえ、ニコンのブランド力もあいまって、触っていて嬉しいカメラに仕上がっているのではないかな、と思います。
でもわたし自身、ニコンのカメラというだけでバイアスが掛かっている自覚はあるので、それもどうなの? と思うんですけどね。
ニコンUは比較的年代が新しい機種なので、ニコン公式サイトに当時のコンテンツが残っています。
スペックなどはそこに書いてあるのであわせてご覧ください。
ニコン公式サイト ニコンUの紹介
https://www.nikon-image.com/products/slr/lineup/u/
年代が新しいといいましたけど、もう20年前のカメラなんですね、これ……
日付写し込み機能
さて、今回の作例では日付を写し込んでみました。
これは理由があってのことです。
Twitterのカメラ界隈で2019年の暮れに話題になって、そのネタで同人誌を出した方もいたんですけど、
多くのフィルムカメラの日付写し込み機能って、年が2019年までしか対応していないんですよ。
たとえばこのチャンネルで動画にしたミノルタα Sweetでは、2019年の次は1994年に戻ってしまいます。
ところが。
このニコンUは、年が2049年まで対応しているんです。
この動画をUPしているのが2021年なので、あと28年くらい使えるということですね。
まあ、そこまでやるなら00年から99年まで入れてもよかったんじゃないかとも思うんですが……
ちなみに今回この動画を作るために調べていたら、ニコンの過去のニュースリリースに、日付写し込み用電池が早く消耗してしまう不具合がある、ということが書かれていました。
2011年まで無償修理をしていたらしいのですが、修理していない人のほうが多いと思うので注意したほうがいいですね。
参考:ニコンイメージング公式Webサイトより
「オートフォーカス一眼レフカメラ「ニコン U」ご愛用のお客様へ」(2021年4月29日閲覧)
https://www.nikon-image.com/support/whatsnew/2001/nikonu.html
不具合
最後に、ニコンU特有の不具合。
まず、当時のカメラにありがちですがグリップはべたつきます。
ニコンやキヤノンの一眼レフに非常にありがちです。
今回は、無水エタノールでべたつきを拭き取ってから、微量のシリコンスプレーをキムワイプに染み込ませて表面を磨きました。
同じ時期のエントリー一眼レフ、ミノルタはファインダーが黄色く変色してしまうし、ペンタックスは確実にギアが割れて動作不良を起こすので、やっぱりニコンとキヤノンは安定感がありますね。
追記 関連動画(巻き上げの様子)
※ショート動画のため外部リンクです
https://www.youtube.com/shorts/PgraT1HC1e8
関連書籍
Auto Amazon Links: プロダクトが見つかりません。
※アサヒカメラ ニューフェース診断室をまとめたムックには、朝日新聞出版公式Webサイトの内容紹介を見る限りNikon Uは収載されていないようです。
まとめ
というわけでニコンUについて話してきました。
わたしがフィルムカメラ趣味をはじめたのは2000年代なので、このカメラが新品で売られていた期間とぎりぎり被っていたのですが、当時、本当に黙殺してしまっていたんですよ。
それは当時の年上のカメラマニアもそうだったようで、なにか情報が載ってないかと思って、手元にある、2002年に出たムック、季刊クラシックカメラのニッコールレンズ特集を開いたのですがとくに言及はありませんでした。
クラシックカメラの雑誌だからそれはそうなのですが、でもニコンF4については言及があるんですよ。
カメラに限りませんが、15年くらい経つと趣味の対象として振り返られるというの、本当によくあることなのかもしれませんね。
というわけでニコンUのお話でした。
ありがとうございました。
御部スクラでした。