みなさんこんにちは。
フィルムカメラ系VTuberの御部スクラです。
今回は日本のヤシカのフィルムカメラ、Yashica FRについて話します。
Contents
Yashica FR
Yashica FRのスペック
レンズマウント:ヤシカ・コンタックスマウント
シャッター:横走り布幕フォーカルプレーンシャッター B、1秒~1/1000秒 シンクロ速度1/60秒
巻き上げ:レバー式、1回巻き上げ(分割可) 別途モータードライブ取付可能
露出計:TTL開放測光(中央重点?)おそらくSPD?
カウンター:順算式、自動復元
フォーカシング:マニュアル
電源:4LR44 x1
使用フィルム:35mmフィルム
発売年:1976年
発売時価格:-
製造元:ヤシカ
Yashica FRとは
Yashica FRは、camera-wikiによると1976年に発売したカメラで、ヤシカ・コンタックスマウントの一眼レフカメラです。
内容としては、コンタックスRTSのヤシカ版、廉価版といった感じのカメラだといえるでしょう。
参考文献:「Yashica FR – Camera-wiki.org」(2021年11月3日閲覧)
http://camera-wiki.org/wiki/Yashica_FR
いままでこのチャンネルではCONTAX RTSの動画をUPしましたけど、わたし、これまでヤシコンにまったく縁がなかったんですよね。
というのもヤシコンマウントのレンズは高い。
でもさすがに、ツァイスじゃなくてYashica銘のレンズくらい1本買っておくか、と思ってジャンクを買ったらついてきたボディが、このFRだったのでした。
……でもそれで終わりではなくて、目当てだったYashica DSB 55mm F2は使い物にならなくて、結局ボディだけが増えてしまったんですよね。
そこでさらに、いまつけているYashica DSB 50mm F1.9を買い足してしまったというわけでした。
……わたしは絶対に株や投資に手を出してはいけない人間だと思います。
Yashica FRの特徴
それではカメラのカタログスペックと特徴を見ていきます。
シャッター周りと電源
まずシャッターは横走りの布幕ですが電子シャッターです。
フラッシュの同調速度とバルブだけメカシャッターのようなこともなく、電池が入っていないとシャッターは切れません。
シャッター速度はBと1秒から1/1000秒と一般的なもの。
CONTAX RTSには1/2000秒があるのでここは少しスペックダウンしていますね。
使用する電池は4LR44です。
電池の入れ方や入れる場所、蓋や電池ボックスの感じはまさにコンタックスRTSそのもので、兄弟機種だということがよくわかります。
RTSの動画でつけていたワインダーは知り合いにあげてしまったので見せられないのですが、RTS用のワインダーはFRにも付くらしいですね。
シャッターボタンの配置は巻き上げレバーと同軸でRTSとは異なるのですが、ボタン自体が大きくて、ここもRTSっぽさが強いです。
ファインダーと露出計
ファインダーはこんな感じです。
見ての通り、シャッター速度と絞りがファインダー内で確認できます。
画面内に表示が入り込むのは人によって好き嫌いがあるとは思うのですが、わたしはこういった感じの表示はかなり好ましく思います。
露出計ですが、ここは少し変わっています。
同時期の一眼レフはシャッターボタン半押しでONとかが多いと思うのですが、Yashica FRの露出計は、巻き上げレバーの予備角を引き出した状態で背面のスイッチをスライドするとONにできます。
予備角を戻すとOFFになります。
CONTAX RTSも露出計は使うときだけONにする設計だったので、ここもその影響が感じられます。
露出計の表示はLEDで、ファインダーの右側に赤・緑・赤の3点で表示されます。
何段ズレているかがわからないのが苦手な方もいると思いますが、わたしはそこはあまり気になりませんでした。
それよりも、上下のLEDがいくらなんでも離れすぎで、そちらのほうが使いにくく感じましたね。
見た目がかっこういい
見た目はまさに1970~1980年代の一眼レフ、という感じで非常に端正です。
サイズ感も、OMやペンタックスMシリーズほどには小さくないですが、大きすぎず取り回しは悪くありません。
あと、貼り革が劣化することもないのもいいところですね。
ザ・普通の一眼レフという感じで、この見た目、わたしはかなり好きです。
Yashica DSB 50mm F1.9
今回取り付けているレンズはYashica DSB 50mm F1.9です。
DSBとついているレンズはモノコートで、ようするにヤシコンマウントでは一番安いレンズですね。
中古でもそれなりに安いですが、ヤシコンマウントということでジャンクでも他のマウントよりは高いです。
このあと写真を流していきますが、写りは普通にいいです。
ただ、レンズ自体のつくりはよくありません。
比較的年式が古そうなものなら分解できるかと思ったのですが、どうもレンズを細かく分解して拭くのが難しそうな構造をしています。
なので実は、このレンズは前玉の内部にちょっとだけカビが残っています。
Yashica FRで撮影した写真
では、撮影した写真を見ていきます。
使用フィルムはKodak GOLD 200です。
Auto Amazon Links: プロダクトが見つかりません。
はい。
Konica FS-1の動画と同じ日に撮影したのですが、いろいろと動作が怪しかったFS-1に比べて、こちらのYashica FRは壊れたらおしまいなたぐいのカメラとはいえ安定感を感じました。
F8かF11くらいに絞っているので当然といえば当然ですが、かなりすっきり感のある写りで、ヤシコンマウントのレンズが高く評価されているのもうなづけます。
じゃあ、陽が落ちてきて絞りを開放にするとどうなのかというと、こんな感じです。
普通にすごくきれいなんじゃないでしょうか?
といってもわたしは全然、収差とかわかっている人じゃないんですけどね。
ヤシコンのレンズとか、富岡光学とか言われるとどうしても脳内補正がかかってしまうのですが、そういうイメージを裏切ることのない、評判のいいものはいい理由があるのだと感じる写りでした。
ボディ自体についても、このカメラ、壊れたら直らない可能性が高いとは思うのですが、動いてさえいるのならなんだかんだで電気で動くカメラのほうが露出の精度も高いのはそりゃそうなんですよね。
ベストコンディションではないので今後どれくらい出番があるかはわかりませんが、ヤシカの一眼レフ、けっこう気に入ってしまったのでした。
Yashica FRの不具合について
最後に、このカメラ特有の不具合についてです。
Yashica FRはフィルムカウンターに持病があります。
なんでそんなところに、という感じですが、フィルムカウンターを動かすのに無駄に凝った仕組みが使われていて、経年変化でギアが割れて、カウンターが進まなくなってしまうのですよね。
今回は、割れたギアをエポキシ系接着剤で固めてとりあえずしのぎました。
根本的に解決するなら、ペンタックスMZのボディのように同じ大きさのピニオンギアを手に入れるしかないでしょうね。
いっぽう、同じ時期のCONTAXのように貼り革が劣化することはありません。
ここは明確にヤシカFRのほうが勝っているところです。
正直、初期のヤシカ・コンタックスのボディが捨て値になっている最大の要因は基板が壊れるからじゃなくて貼り革がみすぼらしくなるからだと思うんですよね。
RTSにしても、いつ壊れるかはわからないにしても、動くものは全然動くのでもったいないなーと思います。
まあ、カメラ屋さんが保証を付けるのは難しいのでしょうがないところではあるんでしょうけどね。
また、一部のCONTAXに発生するミラーズレは、少なくとも今回触っているYashica FRにはありません。
ミラー停止位置のズレもありませんでした。
関連書籍
MF一眼レフ名機大鑑―「ニューフェース診断室」再録
朝日新聞出版の書籍情報ページによれば、Yashica FRの記事も再録されている模様。
Auto Amazon Links: プロダクトが見つかりません。
クラシックカメラ専科 No.26
クラシックカメラ専科のヤシカ特集の号です。
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最後に
ということでYashica FRの話でした。
このカメラ、あくまでレンズのおまけのつもりでやってきたのに思いのほかいいボディだと思いました。
というか、RTSのボディは操作性に特徴的なところがあるので、むしろこっちのほうが使いやすい可能性さえありそうですね。
今回、Yashica FRを触ってみて思ったのが、巻き上げの感触もよくて、けっして安っぽいカメラではないということなんですよ。
比較的下のグレードのカメラでもこれくらい感触がよいというのは、やっぱり、そういう部分をきちんと考えていたということなのだと思います。
ヤシコンって、カメラマニアの間では好き嫌いが別れるのと、熱狂的なファンが多いイメージですが、ファンが多いのは感触みたいなスペックに表れない部分を大切にしているからかのかもしれないですね。
わたしは基本的にジャンクを掘ってばかりいる人なのでツァイスのレンズに縁はありませんが、いつかこのボディにプラナーをつけてあげたいです。
ありがとうございました。
御部スクラでした。