みなさんこんにちは。
フィルムカメラ系VTuberの御部スクラです。
今回はRollei Flash 35 AFというフィルムカメラについて話します。
Contents
Rollei Flash 35 AF
Rollei Flash 35 AFの外観とスペック
レンズ:ROLLEINON 38mm F2.8
シャッター:おそらくコパル製 1/8秒 F2.8~1/450秒 F17まで可変
巻き上げ:レバー1回巻き上げ、分割可能
露出計:レンズ下部のCdS受光素子による
カウンター:順算式、自動復元
フォーカシング:ハネウェル製モジュールを用いたオートフォーカス
電源:単3電池 x2
ファインダー:アルバダ式、フォーカス位置確認可能
フィルム装填:蝶番による裏蓋開閉式
使用フィルム:35mmフィルム
発売年:1980~1981年頃?
発売時価格:-
製造元:諸説あり(後述)
※本機は別名「Rolleimat AF」としても販売された
参考文献:camera-wiki.orgよりRolleimatの項目(2021年12月25日閲覧)
http://camera-wiki.org/wiki/Rolleimat
※以下すべて、スペックは同記事を参考
Rollei Flash 35 AFについて
Rollei Flash 35 AFは、Rollei(ローライ)ブランドで販売されたコンパクトカメラです。
camera-wiki.orgの記事によれば、この機種はRolleimat AFという名前でも販売されたとのこと。
年代は1980~1981年頃のものだということです。
さて、ブランドこそドイツのローライを名乗っているわけですが、当然ながらこのカメラはドイツ製ではありません。
裏蓋を見ると、シリアルの横にしっかりとJAPANの文字が貼り革に刻まれています。
製造元については、camera-wiki.orgには日東光学と書いてありますがソースは不明です。
動画のコメント欄へは、Mamiya 135AFが元ではないかとの指摘をいただきました。
かなり状態が悪いジャンクで購入
当然ながらジャンクでの購入で、価格は400円でした。
ローライなどドイツのブランドがついたカメラは、日本製のOEMであってもそれなりに――といっても数千円単位ですが――値段がついてしまいがちです。
今回このカメラが400円だったのは、見ての通り状態が最悪だったからです。
お気づきの通り、ファインダーの対物側のレンズが真っ二つに割れています。
じつは購入時にはその前にあるガラスも割れていました。
どうやら、落下させるなどしてファインダー窓に尖ったものが刺さってしまったようです。
……そんな状態なのについ買ってしまったのは、このカメラがローライを名乗っているからです。
わたしもそうやって、ブランドに踊らされてしまったのでした。
Rollei Flash 35 AFの機能
では簡単に機能を見ていきます。
レンズはROLLEINON 38mm F2.8。
こういうコンパクトカメラとしては至って一般的なスペックです。
レバー巻き上げ、クランク巻き戻しで、分割巻き上げが可能です。
ストロボはボディ前面のスイッチでONにします。
このカメラはストロボのスイッチのほかに、ボディ上面にも主電源のスイッチがついています。
シャッターはプログラムシャッターで、1/8秒から1/450秒までとのことです。
シャッターは電池を入れないと切れません。
電池は単3乾電池を2本使用します。
今回、分解時の写真はないのですが、フレキシブル基板にはCOPALの文字がプリントされていました。
ハネウェル製モジュールのオートフォーカス
さて、見た目からもわかるとおり、このカメラはKONICA C35AF(ジャスピンコニカ)の影響を強く受けた製品、というか類似品です。
camera-wiki.orgによれば、オートフォーカスの機構もジャスピンコニカ同様、ハネウェル製モジュールが使用されているとのことです。
動作についてもジャスピンコニカと同じく、巻き上げるときにチャージして、レリーズ時にゼンマイの力でフォーカスする仕組みになっています。
ただし1980~1981年頃の製品なので、シャッターボタンを半押しすると、ファインダー右側でフォーカス位置を確認できるようになっています。
※ファインダーは肉眼ではもう少しちゃんと見えます
ファインダー
ファインダーにはアルバダ式のブライトフレームがついています。
今回、対物側のレンズが割れていたのですが、とりあえずエポキシ系接着剤でくっつけました。
分解したとき、試しにパーツ取りのカメラのファインダーレンズを入れてみたのですが、当然ですがピンぼけになってしまって使い物になりませんでした。
Rollei Flash 35 AFで撮った写真
それでは、このカメラで撮った写真を見ていきましょう。
使用フィルムはKodak ColorPlus200です。
Auto Amazon Links: プロダクトが見つかりません。
はい。
ここまで状態が悪いカメラだったので、正直なにも写っていないことを覚悟していたのですが、なんと、このカメラとってもよく写るんですよ。
というか、38mm F2.8というレンズなので写らないほうがおかしいといえるかもしれません。
天候と光線条件にも恵まれているのですが、空の色もいい感じだし、フードは取り付けていませんが、多少強い光が入ってもフレアっぽくなったりすることはありません。
さすがは1980年代に入った頃のカメラです。
基本的なレベルが高すぎます。
そして、オートフォーカスもしっかりと機能してくれています。
こういう状態なので動作はちょっと怪しい感じもあるのですが、ファインダーに表示されるフォーカス位置を確認しながら撮影したので、基本的にはピンぼけになることもありませんでした。
ただ、仕方ないことですがテーブルの上みたいな極端に近い距離で撮影するのは無理でしたね。
同じ日に、PENTAXのZOOM-70 DATEというズームレンズのついたコンパクトカメラでも撮影していたのですが、もちろんそっちもよく写るカメラではありますが、やっぱりズームと単焦点を比べると、単焦点レンズというのは写りがよいのだなぁ、と思ったのでした。
ズームという機能こそないですが、これだけよく写って、しかもピントも実用上問題ないくらいに合うのだから、カメラというのは一般ユーザーにとってはこれくらいの機能で十分だったでしょうね。
コマ間がボロボロだった
とまあ、しっかりといい写真を撮ることができたのでした。
……というだけならハッピーエンドなのですが、じつは不具合もありました。
なんとコマ間がめちゃくちゃだったんです。
ご覧のようにフィルムがまともに巻き上げられていません。
撮影していた時点で、36枚撮りのフィルムで29枚くらいでフィルムが終わってしまったので、なんらかのトラブルが発生したのはわかっていたんですよね……。
一般的な7段のネガシートに入らないので困っています。
1980年の段階でコンパクトカメラは非常に高いレベルにあった
ということでRollei Flash 35 AFについて見てきました。
このカメラを触ってわかったのが、オートフォーカスのコンパクトカメラというのは、1977年にジャスピンコニカが出てからわずか数年、1980年代はじめにはすでに非常に高いレベルにあったということです。
ジャスピンコニカやCanon オートボーイが一流のコンパクトカメラだとするならば、このカメラはあくまでも模倣品にすぎないわけですが、そういった製品でも実用上、まったくもって問題がない。
1980年代の前半、コンパクトカメラの売り上げが伸びた代わりに一眼レフがまったく売れなくなったといわれていますが、たしかにこれだけコンパクトカメラが完成しきっていたら、一眼レフよりもこっちを選ぶよな、と思いました。
当時の一般ユーザーにとって、自動の部分が多いコンパクトカメラに比べて、手動操作の一眼レフはどうしても見劣りしたのでしょうね。
MINOLTA α-7000が登場して一眼レフが息を吹き返したのは納得です。
まとめ
今回触ったこのカメラ、これ以上ないくらいに状態が悪かったわけですが、それでもきちんとピントと露出が合った写真が撮れたのには驚きました。
AFコンパクトカメラはまともに動かないと思っていましたが、ここまで状態が悪くても動くなら、ジャスピンコニカを何台か買ったら1台は動くようにできそうですね。
ジャスピンコニカ、ぜひ動画にしたいです。
あと、今回じつは個人的なブレークスルーがあって、人生で初めてガラスを切断しました。
今回は百均のダイヤモンドヤスリで切ったのですが、ぜひガラス切りを購入しようと思いました。
ということでRollei Flash 35 AFのお話でした。
ありがとうございました。
御部スクラでした。