みなさんこんにちは!
フィルムカメラVTuberの御部スクラです。
今回はCanonのコンパクトフィルムカメラ、オートボーイLUNA(ルナ)の紹介です。
Contents
Canon オートボーイ LUNAとは
オートボーイルナは1994年に発売したコンパクトフィルムカメラ。
当時のコンパクトカメラとしては普通の性能で、レンズは28-70mm F5.6-7.8。
暗いレンズを積んでいて、暗い場所ではフラッシュでどうにかする設計ですね。
ただ、当時のCanonの商品ラインナップとしては、どちらかといえばコンパクトカメラのなかでは上位機種だったのではないかと思います。
デザインも凝っています。
メッセージを写し込むことができる
コンパクトカメラとしてはよくある感じなんですが、このカメラ、ある特徴があります。
それが、メッセージを写し込むことができるということ。
取扱説明書を見ると、
日本語、英語、フランス語、ドイツ語、スペイン語でメッセージを写真に写し込むことができる、と書いてあります。
かわいい! とかThank You!とか定型文を、それぞれの言語につき5つずつ入れることができるんです。
オートボーイLuna 作例
というわけで、このカメラを使って、メッセージの入った写真を秋葉原で撮ってきました!
作例を見てみましょう!
使用フィルムはFUJIFILM 業務用100です。
※製造中止のためプレミアがついていることがありますが、中身はフジカラー100と同じです。
Auto Amazon Links: プロダクトが見つかりません。
「かわいい!」
「原神やったことないけど、かわいい!」
「キッチンジロー、長い間Thank You!」
「レトロゲーム文化への貢献ダンケシェン」
「秋葉原をおそうじしてくれてメルシー」
「アズレン3周年ハッピーバースデー」
「ドイツ艦イッヒリーベディッヒ」
「メリークリスマス!」
「わたしもかわいい!」
というわけで、こんなふうに写真の右下にメッセージを写し込むことができるんです。
仕組みとしては、フィルムカメラの日付写し込み機能(デート機能)とまったく同じ機構ですね。
ちなみに日付写し込み機能が2019年末で使えなくなったカメラが多い中で、このオートボーイルナは2029年12月31日まで対応しています。
1990年代風の写真になる
……今回実際にこのカメラで写真を撮ってみての感想ですが、
なにをやっても1990年代のデジタルカメラがなかった頃の写真になってしまうのでヤバい、とさまざまな感情が巻き起こりました。
いわゆる鉤括弧つきの「フィルムっぽさ」とか「懐かしさ」じゃなくて、失敗した写真の感じとかも含めて「あっ、これ、見たことある……」っていう感情がかきたてられるんですよね……。
メッセージ写し込み機能は他のCanon製コンパクトカメラにもある
さて、このメッセージ写し込み機能ですが、1990年代のCanonのコンパクトカメラには他にも搭載機種があります。
Canonの公式サイト内にあるCanon Camera Museumをひとつひとつ確認したところ、
最初に搭載したのは1989年のニューオートボーイで、5種類のメッセージ写し込み。
そのあと4ヶ国語5ヶ国語と対応する言語が増えていき、この動画で紹介しているオートボーイLUNAくらいまでは、Canonのほとんどのコンパクトカメラにこの機能がついています。
1995年くらいから、この機能がない機種が増えていって、最後にこの機能があったのは2002年のオートボーイ N130だったようです。
正直、そんな後の時代まで存在した機能だとは思わなかったので驚きました。
最後の方、同じシリーズでもメッセージを写し込みがあるのとないのがあったりするので、よくわからないですね。
※この記事の最後に、テキストのみですがメッセージ写し込み機能つき機種を一覧でまとめました。
まとめ
というわけで、CanonオートボーイLUNAの話でした。
フィルムカメラで日付とか、こういうメッセージとかを写し込む機能って、カメラマニアからは無視されがちな機能ですけど、最近フィルム写真が再注目されるなかで、オレンジ色の文字が写し込まれるのが逆にレトロで面白いってなってますよね。
オートフォーカスのカメラとか、レンズメーカー製のズームレンズとか、APSとか、いままでカメラファンに無視されてきたことを調べている人が増えていますけど、ぜひわたしも、そういう再評価ができたらいいな、と思っています。
ぜひ今後も、わたし、御部スクラのYouTubeチャンネル、よろしくお願いします。
ありがとうございました。
参考文献
Canon Camera Museum オートボーイ LUNA
https://global.canon/ja/c-museum/product/film171.html
関連書籍
Auto Amazon Links: プロダクトが見つかりません。
※ただし上記のクラシックカメラ専科は1994年くらいまでの製品しか載っていません。
キヤノンの歴史についてさらに知るにはよいですが、カメラの情報については上記のCanonカメラミュージアムで十分かと思います。
おまけ:メッセージ写し込み機能のあるオートボーイ一覧
Canon Camera Museum
https://global.canon/ja/c-museum/
の記述をもとに、メッセージ写し込み機能のあるオートボーイをまとめました。
※「」内は解説文より引用
「5つのキャプション」が写し込めるもの
1989年
ニューオートボーイ
「年・月・日、日・時・分と5種類のメッセージ写し込み機能付き」
1990年
オートボーイジェット
「年・月・日、日・時・分と五つのキャプション、7ドットLCDによる同時写し込み式」
1991年
オートボーイズーム105
オートボーイジェット キヤノンウィリアムズバージョン
オートボーイズーム76
以上3機種「年・月・日、日・時・分と五つのキャプション、7ドットLCDによる同時写し込み式」
オートボーイミニT
オートボーイMINI
以上2機種「年・月・日、日・時・分と五つのキャプション、7セグメント透過型LCDによる同時写し込み式」
4ヶ国語対応
1992年
JET 135
「年・月・日(配列選択可能)、写し込みは漢字写し込み、日・時・分および4か国語による六つのキャプション(選択式)、7ドットLEDによる同時写し込み式。また英語のキャプションの一つは任意に書き換え可能」
オートボーイA(エース)
「年・月・日、日・時・分と4か国語選択式五つのキャプション、LEDドット素子による同時写し込み式」
1993年
オートボーイA(エース) XL
「年・月・日、日・時・分と4カ国語選択式五つのキャプション、LEDドット素子による同時写し込み式」
オートボーイ S(スーパー)
「年・月・日、日・時・分および4カ国語による五つのキャプション(選択式)、7ビットLEDによる同時写し込み式」
1994年
オートボーイ J(ジャック)
「年・月・日、日・時・分および4カ国語による五つのキャプション(選択式)、7ビットLEDによる同時写し込み式」
5ヶ国語対応 その1
1994年
オートボーイ LUNA
「年・月・日、日・時・分、および日英独仏西語による合計25種類のキャプションの写し込み可能、パノラマ画面内での写し込みも可能」
1996年
オートボーイ S(スーパー)II
「年・月・日、日・時・分と5カ国語によるキャプション」
1999年
オートボーイ LUNA XL
「年・月・日、日・時・分、および日英独仏西語による合計25種類のキャプションの写し込み可能、パノラマ画面内での写し込みも可能、2029年までのオートカレンダー内蔵」
なぜか1機種だけ4ヶ国語対応に戻る
1999年
オートボーイ S XL
「年・月・日、日・時・分および4カ国語による5つのキャプション(選択式)、7ビットLEDによる同時写し込み式」
5ヶ国語対応 その2
1999年
オートボーイ SII XL
「年・月・日、日・時・分と5ヵ国語によるキャプション」
オートボーイ120
「デート=年・月・日、日・月・年、日・時・分、空白。キャプション=5ヶ国語各5種類。2029年までのオートカレンダー」
2000年
オートボーイ EPO
「デート:5通り(写し込みなし含む)キャプション:5言語、各5通り」
2002年
オートボーイ155
オートボーイ N130
以上2機種
「西暦2049年までのオートカレンダー内蔵 (閏年自動修正)
・写し込みデータ:デート5通り、キャプション5言語各5通り
・文字形式:6×7のドットマトリックスによる
・写し込みの色:オレンジ色」
備考:上記期間の搭載なし機種
1993年 オートボーイ F
1994年 オートボーイ D5
1995年 オートボーイ SE
1995年 オートボーイ JUNO(ジュノー)
1995年 オートボーイ LUNA35
1995年 オートボーイ BF80
1996年 オートボーイ F-XL
1997年 オートボーイ Luna 105
1998年 オートボーイ Luna 85
2000年 オートボーイ JUNO76
2001年 オートボーイ LUNA 105 S
2003年 オートボーイ N115
以上となります。